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2019/05/10 09:08

神経質な値動きか、米中協議を注視 無料記事

◆10日の香港マーケットは、米中通商協議の見極めで神経質な値動きか。
 外部環境に不透明が広がるなか、昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.5%安と反落した。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%安と4日続落している。米中貿易摩擦の激化が警戒された。米税関・国境取締局は9日、「2000億米ドル相当の中国製品(約5700品目)に対する関税を10%→25%に引き上げる」措置に関し、「10日の午前0時1分(日本時間で午後1時1分)に実施する」と通知。中国側も報復措置を打ち出すと明言している。キャタピラーやスリーエム(3M)など中国関連とされる銘柄群に売りが膨らんだ。また、さえない業績見通しを発表した半導体のインテルが急落。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.2%安と4日続落し、他の指数をアンダーパフォームした。ただ、指数は引けにかけて下げ幅を縮小(NYダウは一時1.7%安)。閣僚級の米中通商協議開催を前に、トランプ大統領は、「(習近平国家主席から)素晴らしい書簡を受け取った」と述べ、電話会談の可能性に触れた。米中協議に対する過度な警戒感がやや薄れている。米中協議は日本時間朝6時、ワシントンで始まった。
 一方、9日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.5%安と続落。今年2月22日以来の安値を切り下げている。米中貿易摩擦の激化が不安視されたほか、海外マネーの流出も懸念された。本土・香港間の株式相互取引を通じた売買では、香港経由の本土株売買が依然として売り越しとなっている。市場関係者の間からは、「海外投資家は中国投資を縮小している」との見方が流れた。
 こうしたなか、本日の香港・中国マーケットは全体として神経質な値動きか。米中貿易摩擦の警戒感が根強い。通商協議の成り行きも気がかりだ。ただ、指数はこのところの下げが大きいこともあり、協議の進展でポジティブなニュースが流れることなどがあれば、買い戻しの動きもみられよう。



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