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2020/01/21 09:00

上値の重い展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆21日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じるなかで上値の重い展開か。
 外部環境に目立った手がかりはない。昨夜の米株市場は、キング牧師誕生日の祝日で株や債券など全市場が休場だった。場が開いていた欧州市場では、主要株価指数がまちまちで推移している。
 一方、20日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が前営業日比0.7%高と続伸。中国指標の改善が引き続き材料視された。国家統計局が17日公表した昨年12月の各種経済統計では、小売売上高や鉱工業生産などが予想を上回る伸びを示している。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給もプラス。人民銀は20日、14日物リバースレポ取引を通じて2500億人民元(約4兆円)を供給した。人民銀は先週、正味9000億人民元を市場に供給しており、その規模は週間ベースで過去最高を記録している。
 なお、国際通貨基金(IMF)は20日、世界経済見通し(WEO)を更新し、2020年の世界成長率を前回予想から下方修正。ただ、前年からは改善し、3年ぶりに成長率が加速すると予測した。うち中国については、前回の5.8%から6.0%に上方修正している。
 他方、米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは同日、香港の債務格付けを引き下げた。「反政府行動に対する行政の対応が欠如している」ことを理由に挙げている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、経済情勢を巡り好悪材料が入り混じっていることが不安材料だ。また、新型コロナウイルス肺炎の感染拡大も懸念材料。武漢市ではこれまでにおよそ200人が感染し、うち3人が死亡している。感染は医療従事者にも広がり、「ヒトからヒトへの感染」が確認された。今週後半から始まる春節(旧正月)では市民の大移動があるため、さらなる感染拡大も危惧される。2003年のサーズ(SARS、重症急性呼吸器症候群)発症時には、感染拡大による投資家心理の悪化でマーケットが急落した経緯もあるだけに、買い手控え要因として意識されることもあろう。
 なお、本土市場は24〜30日、香港市場は24日後場〜28日が春節で休場となる。


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