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2020/08/28 10:58

内外環境の改善でしっかりか、決算集中で選別物色も 無料記事

◆28日の香港マーケットは、内外環境の改善でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%高と続伸し、約半年ぶりの高値で終えた。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は、史上最高値を連日で更新している。緩和的な米金融政策が長期にわたると見込まれるなか、資金流入が継続するとの期待が相場を押し上げた。各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は講演し、「インフレ率が一時的に2%を超えることを容認」する新指針を発表。経済回復が確実になるまでは、大規模な金融緩和を継続するとの方針を示している。インフレ期待の高まりで、米10年債利回りが約2カ月半ぶりの高い水準に達したことを手がかりに、銀行など金融株が買われた。他方、金利高がマイナスに影響する大型IT関連は売りに押され、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%安と6日ぶりに反落。ナスダック指数はこのところ急ピッチに上昇し、最高値を連日で切り上げていたこともあり、売り圧力も意識された。
 一方、27日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.6%高と3日ぶりに反発。景気回復の期待感が広がった。中国国家統計局は朝方、全国工業企業の利益総額が2020年7月に、前年同月比19.6%増の5895億1000万人民元(約9兆706億円)に伸びたと報告。3カ月連続のプラス成長を達成した点を重視し、市場ではコロナ禍で打撃を受けた企業業績の早期持ち直しが意識されている。中国の政策動向も注視された。香港メディアが27日報じたところによれば、習近平・国家主席は最近、北京で連日にわたり経済に関する座談会を開いている。
 ただ、全体としては上値が重い。米中摩擦の激化が懸念された。米商務省は26日、係争中の南シナ海で拠点建設に関与したとして、中国企業24社を禁輸措置対象リスト(エンティティ・リスト、EL)に追加。一方、同海域で軍事演習を実施している人民解放軍は同日、中距離弾道ミサイルを4発発射している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米金融緩和の長期化と中国の政策に対する期待感が支えとなろう。主要企業の決算発表が集中するなか、業績動向に着目した売買も引き続き活発化しそうだ。本日は、中国工商銀行(1398/HK)や中国建設銀行(939/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、交通銀行(3328/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、中国民生銀行(1988/HK)、海通証券(6837/HK)、広発証券(1776/HK)、保利置業集団(119/HK)、招商局港口HD(144/HK)、青島ビール(168/HK)、江蘇寧滬高速公路(177/HK)、新濠国際発展(200/HK)、中国中信(267/HK)、鞍鋼(347/HK)、江西銅業(358/HK)、中国石油化工(386/HK)、中国中鉄(390/HK)、東風汽車集団(489/HK)、中国高速伝動設備集団(658/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中興通訊(763/HK)、中国稀土HD(769/HK)、中国神華能源(1088/HK)、エン州煤業(1171/HK)、中国生物製薬(1177/HK)、中国鉄建(1186/HK)、比亜迪(1211/HK)、中国冶金科工(1618/HK)、中国中車(1766/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、長城汽車(2333/HK)、上海電気集団(2727/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、中国神威薬業集団(2877/HK)、中国建材(3323/HK)、保利協キン能源HD(3800/HK)、洛陽欒川モリブデン集団(3993/HK)などが中間決算を発表する。
 昨日引け後以降に発表された主力企業の中間決算では、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が利益6.6倍、中遠海運能源運輸(1138/HK)が利益6.3倍、第一トラクター(ファースト・トラクター:38/HK)が利益16倍、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が赤字転落、中国平安保険(2318/HK)が30%減益、網龍網絡(ネットドラゴン・ウェブソフト:777/HK)が20%減益、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が95%減益などとなっている。


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