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2019/11/20 09:16

神経質な値動きか、米中対立に警戒感 無料記事

◆20日の香港マーケットは、米中対立の警戒感が意識されるなかで神経質な値動きとなろう。
 外部環境には不透明感が漂う。昨夜の米株市場では、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が前日比0.2%高と連日で史上最高値を更新したものの、主要指標のNYダウは0.4%安と3日ぶりに反落した。米小売企業の業績低迷を受け、年末商戦に対する期待がやや後退。ホームセンターのホーム・デポが発表した第3四半期(8〜10月)売上高は予想を下回り、2020年1月期の売上高見通しも下方修正された。米百貨店大手コールズは第3四半期の既存店売上高がアナリスト予想を下回り、通期利益予想を再び下方修正している。両社の株価が急落し、小売各社が連れ安した。
 米中通商交渉を巡る不透明感もくすぶる。トランプ米大統領は19日、協議が合意に至らない場合はさらに関税を引き上げると述べた。米CNBCの記者はこれに先立つ18日、「北京側の雰囲気は悲観的だ」と中国政府関係者の話としてツイッターに投稿している。
 また、米上院で日本時間20日朝方、香港の自治を守る「香港人権・民主主義法案」が可決されたことも不安材料だ。同法案は、中国が香港に高度の自由を保障する「一国二制度」を守っているかどうか、米政府に毎年の検証を義務付けるという内容。すでに下院は通過済みで、成立には大統領の署名が必要だ。中国側は同法案が成立したら報復する可能性を示唆している。
 一方、19日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%高と続伸。金融緩和の期待感が強まった。中国人民銀行(中央銀行)が18日に実施したリバースレポ取引では、4年以上ぶりに金利が引き下げられている。本日(20日)公表される実質的な政策金利の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、2カ月ぶりに引き下げられるとの観測が広がった。
 香港情勢に関しては、依然として反政府行動が続いているものの、ひとまず最悪期は脱したとの見方もある。警官隊と反政府派が対峙している香港理工大学では、数百人規模の学生が立てこもっていたが、その多くは投降した。また、15〜19日に休校だった小中高は本日から再開される。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の金融緩和に対する期待感はあるものの、米中対立の警戒感も強まる状況だ。上述した「香港人権・民主主義法案」可決後、グローベックスの主要な米株価指数先物が大きく下げたこともネガティブ材料となろう。


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