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2019/08/22 09:16

しっかりか、米株高が支えに 無料記事

◆22日の香港マーケットは、米株高を支えにしっかりとした展開か。
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は主要指標のNYダウが前日比0.9%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.9%高とそろって反発した。米小売企業の好決算を受け、投資家心理が上向いている。ディスカウントチェーンのターゲットとホームセンターのロウズが発表した第2四半期決算は、それぞれ市場予想を上回る内容だった。消費好調を背景に、米景気の過度な減速懸念も薄らいでいる。米連邦準備制度理事会(FRB)が公開した7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、同会合で決定した利下げは保険的な意味合いで、利下げサイクル入りを意味しないことが示された。予想通りの内容だったとして、相場への影響は限定的となっている。今後の焦点は、23日に行われるパウエルFRB議長の講演に移ったようだ。
 米中貿易問題に関しては、トランプ米大統領が21日、「米中の通商合意はなお可能」と発言している。また、中国外交部は21日の定例記者会見で、「通商問題を巡り米中で見解が異なることは自然だ」として、対話で解決することが鍵だと強調した。トランプ大統領はこれに先立つ15日、「中国の習近平国家主席と貿易問題で電話協議をする予定」と記者団に語っている。
 一方、21日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.01%高と小反発。人民元安の警戒感がやや薄らいだ。中国人民銀行(中央銀行)は21日朝方、人民元レートの対米ドル基準値を4日ぶりに元高方向へと設定。同日の上海外国為替市場では、元高に転じて推移した。ただ、国内景気の減速懸念はくすぶる状況。景気動向に敏感な資源・素材株などが売られ、相場の重しとなった。
 香港経済の先行き不安も続く。香港拠点の東亜銀行(23/HK)は21日、中間決算が25%減益に落ち込んだことを明らかにした。同行は決算説明会で、香港政府と民主派の対立や米中貿易摩擦の長期化により、香港経済が落ち込む恐れがあると警告している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国景気や香港情勢の不透明感は依然としてくすぶるものの、米小売企業の好決算を受けた昨夜の米株高が好感されそうだ。香港で主要企業の決算報告が本格化するなか、業績動向に着目した物色もみられよう。本日は、碧桂園HD(2007/HK)や保利置業集団(119/HK)、中国海外発展(688/HK)、広州富力地産(2777/HK)、中国電信(728/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、恒安国際集団(1044/HK)、中国電力国際発展(2380/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、百盛商業集団(3368/HK)、中信証券(6030/HK)などが中間決算を発表する予定だ。なお、充電電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が報告した中間業績は純利益が3倍に膨らむ一方、1〜9月期の大幅減速も予告している。


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