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2019/11/14 09:06

神経質な値動きか、米中協議と香港情勢に不透明感 無料記事

◆14日の香港マーケットは、米中協議と香港情勢の不透明感で神経質な値動きか。
 外部環境には好悪材料が入り混じる。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%高と上昇して史上最高値を更新する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と小反落した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受け、「米景気が堅調に推移しても現在の低金利は続く」との見方が広がったことをプラス材料視している。個別では、映画・娯楽大手ウォルト・ディズニーが上場来高値を更新。NYダウの上昇に寄与した。同社の新たな動画配信サービス「ディズニー・プラス」は加入者が殺到し、アナリスト予想を超えるペースで1000万人の大台乗せを達成している。
 半面、米中通商協議を巡る不透明感はくすぶる。米メディアは13日、「農産物購入の数値目標を合意文書に盛り込むことに中国は難色を示し、部分合意の障害になっている」と報じた。トランプ米大統領はこれに先立つ12日、貿易問題で講演し、「(中国と)合意に至らなければ、対中関税を大幅に引き上げる」と強調している。
 一方、12日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と反落。米中通商交渉が難航するとの観測が相場の重しとなった。ただ、海外マネーの流入観測は根強く、下値は限定的となっている。
 香港情勢は混迷化する状況。民主化を求める抗議活動は週明け以降も持続し、13日は一部の抗議活動参加者により電車やバスの運行が妨害され、交通網が混乱をきたした。香港鉄路(MTR:66/HK)は破壊された一部の地下鉄駅を閉鎖。香港教育局は13日午後、「14日は小中高と幼稚園をすべて休校、休園とする」と通達している。大学の一部は講義をとりやめ、中国本土や台湾出身の大学生は香港を離れる動きもあるようだ。
 なお、本日は取引時間中(日本時間11時ごろ)に、今年10月の各種経済指標(小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資など)が公表される。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きとなろう。上述したように、米中協議や香港情勢の警戒感が引き続き相場の重荷となりそうだ。また香港では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が公表した四半期決算の下振れも逆風となろう。同社の7〜9月期決算は13%減益となり、3四半期ぶりのマイナスとなった。ただ、このところの下げで指数は直近の安値圏で推移していることもあり(ハンセン指数は約3週ぶり安値、上海総合指数は約1カ月半ぶり安値)、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。


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