2018/10/12 09:11
下値を探る展開か、米株と原油先物が大幅続落
◆12日の香港マーケットは、米株と原油先物の大幅続落が嫌気されそうだ。
外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.1%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.3%安と続落した。NYダウの構成銘柄は、前日に続き全て下落している。米中貿易摩擦が長期化するとの見方が強まるなか、企業業績の悪化も警戒された。翌日以降に7〜9月期決算発表を控えるJPモルガンチェースなど、金融株の下げが目立っている。また、原油相場が大幅続落したことを嫌気し、エネルギー関連も急落した。この日公表された米消費者物価指数(CPI)は、市場予想よりも弱い結果。米長期金利が低下し、NYダウはプラス圏に浮上する場面がみられたものの、買いの勢いは続かなかった。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比でプラス8.8%の24.98ポイントに上昇し、約8カ月ぶりの高水準に達している。
一方、11日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が5.2%安の2583.46ポイントと3日ぶりに急反落。2015年の人民元切り下げショック後安値(16年1月27日の2638ポイント)を割り込み、14年11月以来、約4年ぶりの安値水準に落ち込んだ。米中関係の悪化懸念が強まり、投資家心理が冷え込む。米司法省は10日、産業スパイの疑いがあるとして、国家安全部(中国の情報機関)の高官を訴追したと発表。また、米財務省高官は8日、最近の人民元安を懸念していることを明らかにした。米財務省は来週発表する半期に一度の「為替報告書」で、中国を「為替操作国」に認定する可能性が指摘されている。人民元相場に関しては、中国人民銀行(中央銀行)が11日、人民元レートの対米ドル基準値を8営業日連続で元安(=米ドル高)方向に設定した。
こうした環境の下、本日の香港マーケットは下値を探る展開か。米株や原油先物の大幅続落で、リスク回避スタンスが高まっている。ただ、前日のハンセン指数は約1年5カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいることもあり、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。
なお本日は、9月の中国貿易統計が発表される予定。米ドルベースでの輸出と輸入は、伸び率が前月から減速するとの予想がコンセンサスだ。
本土マーケットは神経質な値動きか。上述したように、投資家心理が冷え込んでいる。海外マネーの流出に歯止めがかからないこともマイナスだ。本土・香港間の株式相互取引を通じた売買では、国慶節連休明けの8日から本土株の売り越しが続いている。ただ、下値を拾う動きはありそうだ。前日の下げが大きかったこともあり、「国家隊(政府系ファンドなど)」の買い支え期待が強まっている。NY
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.1%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.3%安と続落した。NYダウの構成銘柄は、前日に続き全て下落している。米中貿易摩擦が長期化するとの見方が強まるなか、企業業績の悪化も警戒された。翌日以降に7〜9月期決算発表を控えるJPモルガンチェースなど、金融株の下げが目立っている。また、原油相場が大幅続落したことを嫌気し、エネルギー関連も急落した。この日公表された米消費者物価指数(CPI)は、市場予想よりも弱い結果。米長期金利が低下し、NYダウはプラス圏に浮上する場面がみられたものの、買いの勢いは続かなかった。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比でプラス8.8%の24.98ポイントに上昇し、約8カ月ぶりの高水準に達している。
一方、11日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が5.2%安の2583.46ポイントと3日ぶりに急反落。2015年の人民元切り下げショック後安値(16年1月27日の2638ポイント)を割り込み、14年11月以来、約4年ぶりの安値水準に落ち込んだ。米中関係の悪化懸念が強まり、投資家心理が冷え込む。米司法省は10日、産業スパイの疑いがあるとして、国家安全部(中国の情報機関)の高官を訴追したと発表。また、米財務省高官は8日、最近の人民元安を懸念していることを明らかにした。米財務省は来週発表する半期に一度の「為替報告書」で、中国を「為替操作国」に認定する可能性が指摘されている。人民元相場に関しては、中国人民銀行(中央銀行)が11日、人民元レートの対米ドル基準値を8営業日連続で元安(=米ドル高)方向に設定した。
こうした環境の下、本日の香港マーケットは下値を探る展開か。米株や原油先物の大幅続落で、リスク回避スタンスが高まっている。ただ、前日のハンセン指数は約1年5カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいることもあり、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。
なお本日は、9月の中国貿易統計が発表される予定。米ドルベースでの輸出と輸入は、伸び率が前月から減速するとの予想がコンセンサスだ。
本土マーケットは神経質な値動きか。上述したように、投資家心理が冷え込んでいる。海外マネーの流出に歯止めがかからないこともマイナスだ。本土・香港間の株式相互取引を通じた売買では、国慶節連休明けの8日から本土株の売り越しが続いている。ただ、下値を拾う動きはありそうだ。前日の下げが大きかったこともあり、「国家隊(政府系ファンドなど)」の買い支え期待が強まっている。NY
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