◆28日の香港マーケットは、米ハイテク株高が好感される流れか。
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9％高とそろって続伸した。ナスダック指数は連日で史上最高値を切り上げ、初めて節目の8000ポイントを突破している（引けは8017.90ポイント）。米国とメキシコが「新たな2国間貿易協定」で大筋合意したことが手がかり。トランプ大統領は27日、北米自由貿易協定（NAFTA）に代わる通商協定をメキシコと結ぶと発表した。米国、カナダ、メキシコの3カ国によるNAFTAは再交渉で難航していたが、米・メキシコが合意したことで「カナダも近く新たな枠組みに加わる」との見方も出ている。
　中国国内の環境も良好。27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.9％高と3日続伸した。人民元の先安懸念が後退するなか、投資家心理が一段と上向いている。中国人民銀行（中央銀行）は24日、人民元の下落抑制策を今年1月以来、7カ月ぶりに再開したことを明らかにした。上海外国為替市場では、24日夜に人民元相場が急伸し、この日も元高方向で推移している。資金流出の不安が和らいだ格好だ。また市場の一部からは、国家隊（政府系ファンドなど）が買い支えをしているとの観測も流れている。
　こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として堅調に推移か。米ハイテク株高の流れを継ぎ、香港上場のIT関連などにも買いが入ろう。主要企業の決算発表がピークを迎えるなか、業績動向に着目した物色も続きそうだ。本日は、中国建設銀行(939/HK)や中国銀行(3988/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、中銀香港(2388/HK)、青島ビール(168/HK)、江西銅業(358/HK)、世茂房地産HD(813/HK)、中国金茂HD(817/HK)、中国恒大集団(3333/HK)、中国南方航空(1055/HK)、華電国際電力(1071/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中国龍工HD(3339/HK)、北京汽車(1958/HK)などが中間決算を報告する。
　本土マーケットもしっかりか。前日に続き、人民元安の懸念後退がプラス材料となろう。下値では国家隊が買い支えに入る――との観測も買い安心感につながりそうだ。


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