/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2018/09/18 08:47

売り先行か、米中貿易戦争に警戒感 無料記事

◆18日の香港マーケットは、米中貿易戦争の警戒感で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.4%安と続落した。米中通商関係の悪化を警戒。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は17日、「トランプ米大統領は中国との通商交渉に満足していない」として、制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象)の発動を近く発表することを示唆した。また、関税発動が決まった場合、中国は米国との通商交渉再開を拒否することを検討中とも伝わっている。個別では、主要商品の生産を中国の協力工場に委託するアップルが2.7%安と大幅に下落。ハイテク株全体の重しとなった。
 なおトランプ政権は取引終了後(日本時間朝方)、制裁関税第3弾を24日に発動すると発表した。これまでに発動された制裁関税(計500億米ドル分)と合わせれば、中国からの年間輸入額(約5000億米ドル)の約半分に追加関税がかけられることになる。中国側の反発は必至とみられ、報復の応酬が危惧される状況だ。
 中国国内の環境も不透明。17日の本土株市場では主要指標の上海総合指数が1.1%安の2651.79ポイントと続落した。一時2647.92ポイントまで売られ、2015年の人民元切り下げショック後安値(16年1月27日の2638ポイント)に再び接近している。米中貿易摩擦の緩和期待が一転して後退するなか、投資家のリスク回避スタンスが高まった。ムニューシン米財務長官は先ごろ、貿易問題を巡る米中閣僚級会議を開くことを中国側に提案。これに対して中国商務部は、米国の招きを歓迎する意向を示していた。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは苦戦を強いられそうだ。前述したように、米中摩擦の激化が投資家のセンチメントを冷やすことになろう。
 本土マーケットも神経質な値動きか。香港と同様に、米中通商関係の悪化が売り材料視されよう。ただ、下値は限定的か。前述したように指数は人民元切り下げショック後の安値に接近していることもあり、「国家隊(政府系ファンドなど)」の買い支え期待が高まっている。また、「10月に預金準備率が引き下げられる」との観測も浮上。米国で9月に利上げが実施された場合、中国でも金利上昇が見込まれるため、当局は流動性確保に向けた対策をとるとの見方が流れている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース