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2019/01/21 10:28

しっかりか、中国景気テコ入れ策と米中協議進展が追い風に 無料記事

◆週明け21日の香港マーケットは、中国の景気テコ入れ策と米中協議の進展が期待される展開か。
 外部環境はポジティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高とそろって4日続伸した。NYダウは約1カ月半ぶりの高値水準に達し、構成銘柄は全面高となっている。米中通商摩擦の改善期待が強まった。複数の米メディアは、「劉鶴副首相の訪米を前に、中国が大規模輸入などの譲歩案を提案している」と報道。なかでも、ブルームバーグ通信は18日、「中国政府は米国からの輸入を徐々に増やし、今後6年間で対米貿易黒字をゼロにするとの提案をした」と伝えている。劉鶴氏は今月30〜31日の日程で、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン財務長官との通商協議に臨む予定だ。
 一方、18日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.4%高と反発。約1カ月ぶりの高値水準を回復した。米中通商交渉の進展期待が強まったほか、中国人民銀行(中央銀行)の資金供給が好感される。人民銀は18日、公開市場操作(オペ)で差し引き200億人民元を供給。オペによる純供給額は、今週だけで1兆1600億人民元(約18兆7190億円)に拡大した。週間ベースの供給規模として2017年1月第4週(1兆1900億人民元)以来、2年ぶりの大きさを記録している。
 また、本日は取引時間中(日本時間午前11時ごろ)に、中国で18年通年のGDP成長率や各種経済指標(小売売上高や鉱工業生産など)が公表される。注目のGDP成長率に関しては、17年の6.8%から6.6%に減速するとの見方が市場のコンセンサスだ。中国政府は18年のGDP成長率について、目標値を「6.5%前後」に設定している。
 こうしたなか、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国指標の公表は気がかり材料となるものの、経済成長の減速はすでに予想されている。中国の景気テコ入れ策や、米中通商協議の進展に対する期待が引き続き相場の追い風となろう。本土マーケットも香港と同様に、堅調な値動きが続くことを予想する。


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