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2018/11/12 09:04

神経質な値動きか、原油安が重荷に 無料記事

◆週明け12日の香港マーケットは、原油安が嫌気される展開か。
 外部環境は不透明。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%安と続落した。原油相場が下げ止まらないなか、世界景気の減速懸念が強まっている。WTI原油先物は10日続落し、一時約9カ月ぶりの安値を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを継続するとの警戒感が続くなか、株価の割高感が意識され、高PERの大型ハイテク株に売りが広がっている。
 一方、9日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が1.4%安と5日続落。銀行株が急落し、全体相場の逆風となった。中国政府が民営企業の資金繰り難を解消するため、具体的な数値目標を定めて融資の拡大を図る考えを示したことがネガティブ。当局が中小企業向け融資の金利引き下げを迫る可能性があることや、国有企業と比べ貸し倒れリスクが高いことが理由だ。また、中国景気の先行き不安や、人民元安の進行、原油相場の下落なども引き続き相場の重しとなっている。
 中国の新車販売低迷も不安要素だ。今年10月の新車販売は前年同月比で12%減少し、4カ月連続のマイナス成長を強いられている。年初からの累計販売台数は、今年初めてマイナスに転じた。国家発展改革委員会の幹部は先ごろ、2018年の自動車販売に関し、前年実績を割り込む可能性に言及。中国経済の先行きが不安視される状況だ。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。原油相場の下落基調を嫌気し、エネルギー関連に売りが先行しそうだ。ただ、中国の電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)が主催した「双十一(独身の日)」キャンペーンの総取引高が過去最高を記録したことはプラス。国内消費の堅調さが確認されたことで、内需関連が物色される可能性もあろう。
 本土マーケットは上値の重い展開か。当局の相場テコ入れなどに対する期待は根強いものの、前述したように中国経済の先行き不安が依然としてくすぶっている。


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