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2018/08/20 08:43

しっかりか、米中通商交渉の進展期待が支えに 無料記事

◆週明け20日の香港マーケットは、米中通商交渉の進展期待が相場を支えよう。
 外部環境はポジティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%高とそろって続伸した。NYダウは約半年ぶりの高値水準を回復している。米中通商交渉の進展期待が引き続き相場の支えとなった。米紙は17日、「貿易摩擦の解消を目指し、米国と中国の通商担当者は11月の首脳会談を模索している」と報道。また、22〜23日には次官級レベルの協議が開かれる予定だ。
 一方、中国国内の環境は不透明。17日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.3%安の2668.97ポイントと5日続落し、約2年7カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。2015年の人民元実質切り下げ後につけた安値、2016年1月27日の2638ポイントに接近している。中国景気の先行き不安が強まる状況。これまでに公表された中国経済指標では、消費や投資の減速が鮮明化し、中国経済の鈍化が示唆されている。また、長春長生生物科技(002680/SZ)のワクチン品質問題に絡み、地方政府高官を含む多数の関係者が処分されたことも投資家心理を冷やした。医薬株は軒並み急落している。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体としてしっかりか。中国の知的財産権侵害に対抗する米国の制裁関税第2弾(中国からの輸入品160億米ドル相当に25%の追加関税)発動を23日に控えていることは気がかりだが(中国側も対抗措置を予告)、米中関係が一段と悪化するとの懸念はひとまず後退している。ただ、本土株動向は不安材料。本日の取引で下値を模索する動きとなった場合など、香港でも本土系銘柄に売りが波及する恐れがあろう。
 本土マーケットは神経質な値動きか。人民元相場の下げ一服や、米中協議の進展期待などプラス材料がある半面、中国景気の先行き不安も強まる状況だ。ただ、市場の一部からは、「相場の底割れを回避するため、国家隊(政府系ファンドなど)の買い支えが入る」との声も聞かれる。


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