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2018/08/10 08:42

上値の重い展開か、週末要因による利食い売りも 無料記事

◆10日の香港マーケットは、週末を控え上値の重い展開か。
 外部環境に目立った手がかりはない。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.29%安と続落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.04%高と8日続伸した。主要企業の決算発表がほぼ一巡し、新規の材料を欠く中で小幅な値動きにとどまっている。米企業業績の好調は支えだが、中国やロシアとの関係悪化が引き続き相場の足かせとなった。
 一方、中国国内の環境は良好。9日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.8%高と反発した。景気減速への過度な懸念が和らぐ状況。7月の貿易統計が上振れたことに続き、この日公表された物価統計も伸び率が予想を上回った。政策期待も強まっている。中国河北省の秦皇島市では、非公式の重要会議「北戴河会議」(共産党の最高指導部や長老らが毎年夏に集まり、今後の政策や党人事を話し合う)が始まったようだ。市場関係者の間からは、何らかの景気刺激対策が打ち出されるとの観測が聞かれる。セクター別では、ハイテク関連株が軒並み急伸。国家科技教育領導小組を改組した「国家科技領導小組(国家ハイテクリーダーチーム)」の設立などが刺激材料だ。李克強首相が組長を務める同チームは、科学技術発展のため、重大政策の研究審査、国家プロジェクトに関する討論や審議、各部門間の協調などを取り仕切る。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。ハンセン指数が前日まで4日続伸するなか、週末要因による利食い売りが出る恐れもありそうだ。また、来週は7月の中国経済指標がまとめて公表されるため(14日に小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資、15日までに金融統計など)、模様眺めのスタンスが強まることもあろう。目先は業績動向に着目した個別株物色か。本日は裕元工業集団(551/HK)や華潤水泥HD(1313/HK)、李寧(2331/HK)、週明け13日は舜宇光学科技(2382/HK)、越秀地産(123/HK)、中国利郎(1234/HK)などが中間決算を発表する。
 本土マーケットはしっかりか。米中貿易摩擦の警戒感はくすぶるが、中国の経済ファンダメンタルズは悪くない。政策で恩恵を受けやすい銘柄群に、下値を拾う動きが継続しよう。


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