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2020/07/08 09:12

売り先行か、米国の新型コロナ感染拡大に警戒感 無料記事

◆8日の香港マーケットは、新型コロナ感染拡大の警戒感で売りが先行する流れか。
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.5%安と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%安と6日ぶりにそれぞれ反落した。新型コロナウイルス感染拡大の警戒感が改めて意識される。テキサス州では7日、一日あたりの感染者数が過去最多を更新し、フロリダ州当局が同日公表したデータによれば、50以上の病院でICU(集中治療室)が満床に達した。一部の州では、経済活動の再開計画を見直す動きも出ている。また、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は7日、新規感染者の急増により、「経営者のセンチメントが再び神経質になっている」と述べた。経済回復ペースが鈍化すると指摘されている。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%高と6日続伸。約2年5カ月ぶりの高値水準を切り上げた。相場の先高観が強まっている。政府系メディアが6日、株高を支持する論陣を張ったことが引き続き材料視された。証券口座の開設数が急増している――と伝わったことも好材料。現地メディアのまとめによれば、国泰君安証券では週明け6日のオンライン開設数が平時に比べて約80%も増加し、華泰証券でも7月に入ってからの1日当たり開設数が前月比で30%近く増えたという。景気持ち直しの期待も続く。先週までに公表された中国の経済指標が相次いで上振れるなか、市場では今年4〜6月期の国内総生産(GDP)がプラス成長を回復するとの観測も浮上した。
 ただ、「香港国家安全維持法」を巡る米中対立は依然として不安視される状況。メドウズ米大統領補佐官は6日、「政権は中国への対応など、複数の問題に対する大統領令を出す準備をしている」と米メディアで語った。その直後、トランプ大統領はツイッターで、「中国は米国と世界に大きなダメージを与えている」と投稿している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、米国などで新型コロナ感染が再拡大していることがネガティブ材料だ。世界景気の持ち直し期待を後退させよう。また、米中関係の悪化も投資家のセンチメントを冷やす恐れがある。ただ、コロナ禍の悪影響が少ないネット通販やゲーム、リモートワークなど一部の「在宅」関連は物色される可能性もありそうだ。


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