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2019/03/08 09:00

神経質な値動きか、世界景気の先行き不安が重しに 無料記事

◆8日の香港マーケットは、世界景気の先行き不安で神経質な値動きか。
 外部環境の不透明感は続く。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安とそろって4日続落した。世界的な景気鈍化が警戒される。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、2019年のユーロ圏経済成長率見通しを大幅に下方修正した。新たな緩和措置を実施し、利上げ時期を先延ばしする方針も明らかにしたが、市場では逆に、「経済はかなり疲弊している」と受け止められている。経済協力開発機構(OECD)はこれより先、世界の経済成長率について、19年と20年を前回予想値から下方修正。また、米国や中国でこれまでに公表された経済指標では、景気減速を示唆するデータが多く散見される状況だ。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1%高と小幅ながら5日続伸。中国の政策期待が続いた。開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、各種の政策が明らかにされる見通し。全人代に出席する財政部の劉昆部長は7日の記者会見で、「計画中の減税は、世界的に例のない規模となる」と発言した。増値税(付加価値税)の引き下げを通じ、製造業などを支援するスタンスを改めて強調している。ただ、指数は一時0.9%安と下落するなど、上値の重さも意識された。
 本日は取引時間中に、今年2月の中国貿易統計が発表される予定。市場コンセンサス予想では、人民元ベースで輸入が前年同月比6.2%増(前月は2.9%増)、輸出が同6.6%増(同13.9%増)で着地するとみられている。なお、米商務省が公表した貿易統計では、2018年の赤字額が過去最大を記録(対中赤字も過去最高を更新)したことが明らかにされた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の政策期待は根強いものの、世界景気の先行き不安が重しだ。また、中国貿易統計の結果も気がかり材料として意識されよう。


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