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2018/10/25 09:10

売り先行か、世界景気の先行き不安強まる 無料記事

◆25日の香港マーケットは、世界景気の先行き不安で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.4%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.4%安と続落した。NYダウは年初来の騰落率がマイナスに転じている。世界景気の減速懸念が一段と強まる展開。IHSマークイットが24日公表した10月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)は前月から予想以上に低下し、約25カ月ぶりの低水準を記録した。うち、製造業PMIは約6年ぶりの低水準。米国に端を発する貿易摩擦や関税賦課の応酬などで、世界貿易を巡る懸念が顕在化した格好だ。欧州株市場の主要指数は軒並み急落し、米市場もその流れを継いでいる。また、米企業の業績懸念も浮上。半導体のテキサス・インスツルメンンツが発表した7〜9月期決算では売上高が市場予想を下回り、10〜12月期の売上高と利益見通しも予想を下回った。ハイテク株全般に売りが広がる中、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6.6%安。約1年1カ月ぶりの低い水準に落ち込んだ。
 一方、24日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.3%高と小反発。当局の相場安定策や相次ぐ景気テコ入れ策が改めて材料視されたほか、大手行の好決算も手がかりとなった。中国建設銀行(601939/SH、939/HK)が報告した1〜9月期決算では、増益が確保され、不良債権比率も改善している。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは苦戦を強いられる展開か。上述したように、世界景気の先行き不透明感が強まっている。米ハイテク株安を受け、香港でも関連銘柄に売りが広がりそうだ。
 なお、香港では上場企業の決算発表が本格化しつつある。本日は中国人寿保険(2628/HK)や中信銀行(998/HK)、万科企業(2202/HK)、中国アルミ(2600/HK)、中興通訊(763/HK)、海信科龍電器(921/HK)、あす26日は交通銀行(3328/HK)や中国太平洋保険集団(2601/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、広発証券(1776/HK)、中国東方航空(670/HK)、国薬HD(1099/HK)、エン州煤業(1171/HK)、長城汽車(2333/HK)、第一トラクター(38/HK)、青島ビール(168/HK)、上海医薬集団(2607/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)などが第3四半期業績を公表する。
 本土マーケットも神経質な値動きか。金融当局の相場テコ入れ策には期待がかかるものの、中国景気の先行き不安も強まる状況だ。


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