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2020/03/30 08:57

売り先行か、世界景気の悪化懸念強まる 無料記事

◆週明け30日の香港マーケットは、世界景気の悪化懸念で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比4.1%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も3.8%安と反落した。米国内で新型コロナウイルスの感染者が急増するなか、投資家のリスク回避スタンスが強まっている。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、27日時点で米国の感染者数は10万人に上り、中国の感染者数を上回った。ヒトとモノの移動制限が長期化するとの見方により、景気悪化の警戒感も一段と高まっている。経済対策費2兆米ドル(約220兆円)規模に上る新型コロナウイルス対策法案は上下両院で可決されたものの、すでに織り込み済みとみられた。
 原油安もマイナス。日本時間30日朝方、時間外取引のWTI原油先物は再び節目の20米ドルを割り込んだ。グローベックスのNYダウ先物も急落している。
 一方、27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%高と反発。政策期待が相場を支えた。中国では、「近く利下げが実施される」との観測が根強い。また、このところの急落を受け、A株の大株主が保有株の買い増しに動いている実態が判明したことも買い安心感につながった。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中国以外の国・地域で新型コロナ感染拡大に歯止めがかからず、世界景気の悪化懸念が強まっている。また、中国ではあす31日、今年3月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が発表される予定。事前のコンセンサス予想では、2月の35.7から45.0に上向くとみられているが、景況判断の境目となる50は引き続き下回る見通しだ。結果を見極めたいとするスタンスが買い手控え要因として意識されることもあろう。
 なお、香港マーケットでは19年12月期の決算発表が佳境を迎えている。引き続き業績動向を手掛かりとした物色が進みそうだ。


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