/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2018/09/11 08:48

上値の重い展開か、米中貿易戦争の激化を警戒 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米中貿易戦争の激化懸念がくすぶるなかで上値の重い展開か。
 外部環境は依然として不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と続落した(ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と5日ぶり反発)。米中貿易戦争の激化を嫌気した売りが優勢。米下院共和党が減税第2弾を発表するなかでNYダウはプラス圏でスタートしたものの、買いの勢いは続かず、ほどなくマイナスに転じた。中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象に25%の追加関税を課す)を検討中のトランプ米大統領は、中国からの全輸入品に追加関税を課すこともできると強硬姿勢を崩していない。追加関税の影響を不安視し、アップルは4日続落。インテルも値を落とした。アップルは主力製品を中国の協力工場で生産し、インテルは中国から部品を調達している。
 中国国内の環境もネガティブ。10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.2%安と大幅反落し、年初来安値に接近して取引を終えた。トランプ発言が相場の重しとなっている。トランプ氏はメディアのインタビューに対し、「2670億米ドルの追加関税を課すこともできる」とコメント。すでに発動された500億米ドル分と検討中の2000億米ドル分を合わせれば、総額5170億米ドル相当となり、中国からの全輸入品にあたる。中国経済の下押し要因になると懸念される状況だ。ただ、株式市場では「国家隊(政府系ファンドなど)」による買い支え期待も根強く、大型株の一角には買いが入っている。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。自律反発狙いの買いが入る可能性はあるものの、米中貿易摩擦の激化懸念がくすぶっていることもあり、投資家の物色意欲は限定的となろう。ハンセン指数は連日で年初来安値を切り下げ、約1年2カ月ぶりの水準に落ち込んでいる。
 本土マーケットは下値を固める展開か。指数が年初来安値に接近するなか、国家隊の買い支えに期待したい。大型優良株がプラス圏で推移した場合、個人投資家のセンチメントも上向くだろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース