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2018/10/16 09:04

売り先行か、米ハイテク株安と人民元安が逆風に 無料記事

◆16日の香港マーケットは、米ハイテク株安と人民元安が逆風となりそうだ。
 外部環境はやや不透明だ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%安とそろって反落。アップル株の急落が投資家心理を冷やした。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、中国の消費鈍化を背景に、同国での「iPhone」販売が低迷すると指摘した。ハイテク株全体に売りが波及している。
 また、9月の米小売売上高が予想を下回ったことや、米国で半期に一度の「為替報告書」が近く提出されることなども気がかり材料となりそうだ。「中国を為替操作国に認定することは見送る」との観測が流れているものの、対米ドルの人民元相場が年初来の安値圏で推移するなか、操作国認定の警戒感はくすぶっている。
 一方、15日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が1.5%安と反落。人民元安の動きや、米中関係の悪化懸念が重しとなった。中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元レートの対米ドル基準値を10営業日連続で元安方向に設定している(約1年9カ月ぶりの元安水準)。資金流出が不安視される状況だ。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。米国のハイテク株安や、人民元相場の先安観が投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。なお今週は、9月の経済指標(16日に物価統計や金融統計、19日に小売売上高や鉱工業生産)や第3四半期GDP成長率(19日)が発表される予定。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に公表される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の伸びが前年同月比2.5%(前月は同2.3%)、生産者物価指数(PPI)が同3.5%(同4.1%)で着地すると予想されている。
 本土マーケットも神経質な値動きか。人民元相場の先安観に加え、海外マネーの流出もマイナス材料だ。本土・香港間の株式相互取引を通じた昨日の売買では、再び本土株が売り越しに転じている。


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