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2018/11/14 09:10

神経質な値動きか、中国指標の発表が気がかり 無料記事

◆14日の香港マーケットは、中国指標を見極めながらの展開か。
 外部環境は好悪材料が入り混じる状況。まずプラス材料としては、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡り、英・EUが離脱草案に合意したと報じられたことが挙げられる。英国のメイ首相は14日中に臨時閣議を招集し、承認を急ぐ構えだ。これについて一部報道では、「英閣僚の一部は、ブレグジット草案を支持する意向を示した」と伝えている。
 半面、原油相場の下落基調はマイナス。WTI原油先物は12日続落し、過去最長の続落記録を塗り替えた(約1年ぶりの安値水準に低迷)。トランプ米大統領がサウジアラビアなどに対し、原油減産をけん制する発言を強めるなか、相場の先安観が強まっている。
 昨夜の米株市場では、米中関係の改善期待などで主要指数が上昇する場面があったものの、原油安が足かせとなり、結局安く引けた。主要指標のNYダウは、前日比0.4%安と3日続落している(ハイテク株比率の大きいナスダック指数はほぼ横ばい)。
 一方、13日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.9%高と続伸した。政策期待が持続している。財政部の劉昆部長が「景気下支えのため、中国政府は大規模な追加的な法人税減税を検討している」と述べたことなどが引き続き追い風となった。
 米中関係の改善期待も強まっている。中国で貿易問題を担当する劉鶴・副首相が近く訪米する――と一部メディアが報じた。今月末のG20首脳会議、米中首脳会談を前に、貿易問題解決に向けた協議の地ならしに着手したとみられている。また、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は13日、米中首脳会談を前に、両国の閣僚が協議の準備をしていることを明らかにした。
 ただ、気がかり材料もある。本日の取引時間中(日本時間11時ごろ)に、今年10月の各種経済指標(小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資など)が公表される予定だ。また、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は本日中に、7〜9月期決算を報告する。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは中国指標を気にしながらの展開か。昨日引け後に発表された10月の中国金融統計で、新規融資の伸びが予想を下回ったこともあり、本日の指標が一段と注目されそうだ。
 本土マーケットも神経質な値動きか。香港と同様に、中国指標の内容を見極めながらの値動きとなろう。


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