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2018/10/15 09:10

上値の重い展開か、米中関係の悪化懸念くすぶる 無料記事

◆15日の香港マーケットは、米中関係の悪化懸念がくすぶるなかで上値の重い展開か。
 外部環境はややポジティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.2%高と4日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.3%高と3日ぶりにそれぞれ反発した。主要企業の6〜9月期決算発表がスタートするなか、JPモルガン・チェースやシティグループの業績が市場予想を上回ったことで金融株全体に買いが入り、全体相場を押し上げている。指数は前日まで大きく売られていたこともあり、自律反発狙いの買いもみられた。
 一方、12日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.9%高と反発。人民元安の進行一服や中国統計の上振れが手がかりとなった。この日公表された9月の貿易統計では、輸出の伸び率が事前予想を大きく上回っている。貿易摩擦は依然として懸念されたものの、ひとまずプラス材料とみられた格好だ。輸出の大幅な伸びは、米国の追加関税措置を控えた駆け込み需要が膨らんだことによるもの。米トランプ政権は9月24日(現地時間)、「知的財産権侵害」に対抗する制裁関税の第3弾として、中国からの輸入品2000億米ドル(約22兆5800億円)相当に対する追加関税措置を発動した。中国政府による一連の貿易推進策も輸出入を促したとみられている。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。先週末の米株高はプラス材料として意識されそうだが、米中関係の悪化懸念は依然としてくすぶっている。中国輸出の上振れはいったん好材料として受け止められたが、対米貿易黒字が過去最高を記録するなど米中貿易摩擦の激化も懸念される状況だ。
 本土マーケットも神経質な値動きか。15日朝方の外国為替市場(オフショア)では人民元が反落し、再び年初来の安値圏に接近していることが不安材料だ。


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