2018/08/30 08:44
上値の重い展開か、本土株動向が気がかり
◆30日の香港マーケットは、本土株動向を気にしながら上値の重い展開か。
外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高とそろって4日続伸した。NYダウは約7カ月ぶりの高値を回復し、ナスダック指数は4日連続で史上最高値を更新している。北米地域の貿易交渉進展を好感。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米国とメキシコが「新たな2国間貿易協定」で大筋合意したことを受け、カナダも新協定に加わる可能性が高まった。米国とカナダの協議に関しては、カナダ外相が29日(現地時間)、「建設的な協議ができた」と述べている。また、4〜6月期の米GDP改定値が速報値から上方修正され、米経済の力強さが再確認できたこともプラスだ。個別では、9月に新機種を発売すると伝わったアップルが上場来高値を切り上げ、大手ブローカーが目標株価を大幅に引き上げたアマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)が買われた。
一方、中国国内の環境はやや不透明。29日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と続落した。米中貿易摩擦の警戒感が相場を重くしている。米国は23日、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第2弾を発動(中国側も同規模の報復関税を発動)。制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当に10%の追加関税を課す新たな追加関税)に関しては、9月にも発動されるとの観測が流れている。
こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。米経済の堅調やハイテク株高などは好感されそうだが、本土株動向が気がかりだ。また、あす31日には8月の製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される予定。市場コンセンサス予想では前月からやや鈍化する見込みだが、米中貿易摩擦の悪影響がどれだけあったか見極めたいとするスタンスも強まろう。
また、主要企業の決算発表が佳境を迎えている。本日は中国工商銀行(1398/HK)や中国民生銀行(1988/HK)、重慶農村商業銀行(3618/HK)、中国華融資産管理(2799/HK)、中国銀河証券(6881/HK)、華泰証券(6886/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、中興通訊(763/HK)、中国通信服務(552/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国冶金科工(1618/HK)、中聯重科(1157/HK)、東方電気(1072/HK)、上海電気集団(2727/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、長城汽車(2333/HK)などが中間決算を報告する。
本土マーケットは下値を固める展開か。米中摩擦の警戒感は続いているものの、相場の下落局面では、国家隊(政府系ファンドなど)が買い支えに入るとの思惑が根強い。値ごろ感のある銘柄群などに、買い戻しが入ることを期待したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高とそろって4日続伸した。NYダウは約7カ月ぶりの高値を回復し、ナスダック指数は4日連続で史上最高値を更新している。北米地域の貿易交渉進展を好感。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米国とメキシコが「新たな2国間貿易協定」で大筋合意したことを受け、カナダも新協定に加わる可能性が高まった。米国とカナダの協議に関しては、カナダ外相が29日(現地時間)、「建設的な協議ができた」と述べている。また、4〜6月期の米GDP改定値が速報値から上方修正され、米経済の力強さが再確認できたこともプラスだ。個別では、9月に新機種を発売すると伝わったアップルが上場来高値を切り上げ、大手ブローカーが目標株価を大幅に引き上げたアマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)が買われた。
一方、中国国内の環境はやや不透明。29日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と続落した。米中貿易摩擦の警戒感が相場を重くしている。米国は23日、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第2弾を発動(中国側も同規模の報復関税を発動)。制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当に10%の追加関税を課す新たな追加関税)に関しては、9月にも発動されるとの観測が流れている。
こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。米経済の堅調やハイテク株高などは好感されそうだが、本土株動向が気がかりだ。また、あす31日には8月の製造業PMI(国家統計局などが集計・発表)が公表される予定。市場コンセンサス予想では前月からやや鈍化する見込みだが、米中貿易摩擦の悪影響がどれだけあったか見極めたいとするスタンスも強まろう。
また、主要企業の決算発表が佳境を迎えている。本日は中国工商銀行(1398/HK)や中国民生銀行(1988/HK)、重慶農村商業銀行(3618/HK)、中国華融資産管理(2799/HK)、中国銀河証券(6881/HK)、華泰証券(6886/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、中興通訊(763/HK)、中国通信服務(552/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国冶金科工(1618/HK)、中聯重科(1157/HK)、東方電気(1072/HK)、上海電気集団(2727/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、長城汽車(2333/HK)などが中間決算を報告する。
本土マーケットは下値を固める展開か。米中摩擦の警戒感は続いているものの、相場の下落局面では、国家隊(政府系ファンドなど)が買い支えに入るとの思惑が根強い。値ごろ感のある銘柄群などに、買い戻しが入ることを期待したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。