◆16日の香港マーケットは、中国の政策期待を追い風に買われる展開か。
　外部環境は良好と言える。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.7％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7％高とそろって3営業日ぶりに反発した。ナスダック指数は約1カ月ぶりの高値水準を回復している。中国当局が経済対策の拡大方針を示すなか、同国の過度な景気減速懸念が後退。中国景気の影響を受けやすいとされるハイテク株が軒並み上昇し、投資家心理も上向いた。
　なお、英議会は日本時間15日早朝、メイ英首相と欧州連合（EU）が取り決めたEU離脱合意案を大差で否決。メイ首相は採決後、超党派で協議を開始すると表明した。大差で否決されることは事前に予想されていたこともあり、外国為替市場では英ポンドが急落後に買い戻され、ほどなく安定した動きとなっている。
　一方、15日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.4％高と大幅反発。中国の政策期待が改めて強まった。昨年12月貿易統計の悪化を背景に、中国当局が景気テコ入れの動きを加速する――との思惑が浮上している。財政部の劉昆部長は14日、「1月分の地方債発行を急ぐよう各地方政府に指示した」と発言。中国財務部は15日、2019年に財政支出を拡大し、大幅減税を実施すると表明している。また、15日の取引終了後、中国人民銀行（中央銀行）が月次の金融統計を公表。2018年12月の国内金融機関の人民元建て新規融資は1兆800億人民元（約17兆3790億円）に達し、市場予想の8250億人民元を大きく上回ったことが明らかにされた。これを受け、各種インフラ投資が加速しているとの見方も浮上している。
　こうしたなか、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開か。前日に続き、政策で恩恵を受けやすい銘柄を物色する動きが強まりそうだ。本土マーケットも同様に、下値の固い値動きを予想する。


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