◆18日の香港マーケットは、中国の政策期待で下値の固い展開か。
　外部環境はそれほど悪くない。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.01％安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.05％安と反落した。「国民皆保険制度」に対する警戒感でヘルスケア株の下げが止まらず、全体相場の重しとなっている。制度改革が実現した場合、業績が悪化するとの不安が続いた。ただ、大きく売り込む動きは見られない。主要企業の四半期決算報告が進むなか、業績動向を手がかりとした物色が強まっている。飲料のペプシコは、売上高と利益が予想を上回り急伸した。これまでに1〜3月期決算を発表したS&P500種採用銘柄企業54社のうち、利益が予想を上回った企業の割合は80％近くに上ると伝わっている。
　このほか、米中貿易問題を巡っては米紙が17日、「米中両政府は4月下旬にも閣僚級の通商協議を開く方向で調整を始めた」と報道した。事情に詳しい関係者によれば、米中の高官は北京とワシントンを相互に訪問し、交渉妥結を図りたい考え。5月下旬には、合意署名の米中首脳会談を開きたい意向だ。
　一方、17日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3％高と続伸した。中国経済に対する悲観的な見方が後退。取引時間中に公表された中国統計では、1〜3月GDP成長率が6.4％と市場予想を上回って着地した。3月の小売売上高や鉱工業生産額も大幅に上振れている。「新エネルギー車の購入支援策が発表される」との観測が流れるなか、自動車関連株が急騰した。半面、金融当局の引き締めスタンスはマイナス。中国人民銀行（中央銀行）は17日、公開市場操作（オペ）と中期貸出ファシリティ（MLF）を通じて資金供給したが、過去に実施したMLF償還分との差し引きでは吸収超となっている。上海銀行間取引金利（SHIBOR）のオーバーナイト物が大幅に上昇し、約4年ぶりの高い水準に達するなか、資金流動性のひっ迫も懸念された。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の固い展開か。中国の金利上昇や米国の株安などは逆風となるものの、中国の景気持ち直しや政策期待が相場を支えよう。国家発展改革員会は17日、自動車や家電の消費刺激策を検討していることを明らかにした。また、国務院は同日、民間中小企業向けの借り入れコスト引き下げと融資拡大に取り組む方針を発表している。


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