/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2019/05/09 08:49

神経質な値動きか、米中協議に不透明感 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米中通商協議をにらみながら神経質な値動きか。
 外部環境は不透明だ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.01%高と3日ぶりに反発したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.26%安と3日続落している。米中通商協議の再開を9日に控え、ニュースヘッドラインにより相場が上下に振れる展開だった。通商協議を巡っては、トランプ米大統領が8日、「劉鶴副首相は取引成立のために訪米する」とツイッターに投稿。その後、米ホワイトハウスのサンダース報道官は、「中国が通商合意を望んでいるとの情報を得た」と記者団に説明した。他方、米通商代表部(USTR)は「2000億米ドル相当の中国製品に対する関税を10%→25%に引き上げる」措置に関し、「10日の午前0時1分(日本時間で午後1時1分)に実施する」と官報で正式に通知。これに対して中国商務部は、「米側が関税を引き上げた場合、必要な反撃措置を取らざるを得ない」と応じている。
 一方、8日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.12%安と反落。今年2月22日以来の安値を切り下げた。米中貿易摩擦の激化が警戒される。トランプ米政権が対中関税引き上げを表明するなか、中国側からは「米国が関税を引き上げた場合、その1分後に中国は報復関税を実施する」と関係筋情報として伝わった。海外マネーの流出も不安材料。本土・香港間の株式相互取引を通じた売買では、香港経由の本土株売買が依然として売り越しとなっている。
 こうしたなか、本日の香港・中国マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、米中協議の成り行きが気がかり材料として意識される状況だ。また、本土市場に関しては、政府系ファンドなどの「国家隊」が相場下支えに動く――との期待は根強いものの、上値を買い進む動きにもならないだろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース