◆26日の香港マーケットは、米株高を追い風に買われる展開か。
　外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.6％高と4日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.0％高と3日ぶりに反発した。米企業の業績懸念が薄らぐ。マイクロソフトが公表した7〜9月期決算では、売上高と純利益が市場予想を上回った。ほかにも、ツイッターやコムキャストなどITハイテク関連企業に予想を上回る業績発表が相次いでいる。
　一方、25日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.02％高と小幅ながら続伸。世界景気の先行き不安などで売られる場面が目立ったが、引け間際にプラス転換した。中国当局の相場テコ入れ策などが好感される。中国銀行保険監督管理委員会は25日、「株式担保リスク」の解消に向け、新たな措置を発表した。中国では足元で、上場企業の「株式担保リスク」懸念が強まる状況。上場企業の大株主が保有する株式の多くが融資の担保として差し入れられているため、株価の下落によって強制売却につながれば、システミックな金融危機の引き金になると懸念されている。
　こうした環境の下、本日の香港マーケットは買い戻しが先行する流れか。昨夜の米株反発が追い風となる。ただ、人民元相場が下落基調をたどっていることは不安要素だ。25日の外国為替市場（オフショア）では、対米ドルの人民元レートが約22カ月ぶりの安値を付けている。
　なお、香港では上場企業の決算発表が本格化。本日は交通銀行(3328/HK)や中国太平洋保険集団（2601/HK）、新華人寿保険(1336/HK)、広発証券(1776/HK)、中国東方航空(670/HK)、国薬HD(1099/HK)、エン州煤業(1171/HK)、長城汽車(2333/HK)、第一トラクター(38/HK)、青島ビール(168/HK)、上海医薬集団(2607/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、週明け29日は中国銀行(3988/HK)や中国平安保険(2318/HK)、中銀香港(2388/HK)、海通証券(6837/HK)、比亜迪(1211/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、鞍鋼(347/HK)、江西銅業(358/HK)、洛陽欒川モリブデン集団(3993/HK)、重慶鋼鉄(1053/HK)、中国海外発展(688/HK)、中国電信(728/HK)、大唐国際発電(991/HK)、などが第3四半期業績を公表する。
　本土マーケットもしっかりか。昨日の相場では、「国家隊（政府系ファンドなど）」が買い介入したとの観測が流れた。当局の相場テコ入れスタンスを支えに、下値を拾う動きが続きそうだ。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。