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2018/08/13 08:44

売り先行か、海外情勢に不透明感 無料記事

◆週明け13日の香港マーケットは、海外情勢の不透明感で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.7%安と9日ぶりに反落している。米国とトルコの関係悪化を背景に、トルコリラが急落し(10日に対米ドルで10%超下落)、欧州金融システム不安が強まった。欧州株市場では金融株が主導し、主要指標が軒並み安。米国市場もその流れを継いだ。トランプ米大統領は10日、「トルコからの鉄鋼とアルミニウム輸入関税を2倍に引き上げる」と自身のツイッターに投稿。トルコのエルドアン大統領は「アメリカの脅迫には屈しない」と演説し、強硬姿勢を崩していない。
 一方、中国国内の環境は安定している。10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.03%高と小幅ながら続伸した。景気減速への過度な不安が後退している。直近で公表された7月の経済指標では、貿易統計や物価統計が予想を上回る内容だった。また、決算報告の本格化を控え、業績改善の期待も強まっている。ただ、米中貿易摩擦の激化や、人民元安の動きなどは懸念材料。指数は安く推移する場面もあった。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開となりそうだ。トルコリラの急落を受け、金融市場の混乱が懸念されている。また、中国本土で14日、今年7月の経済指標がまとめて公表されることも気がかりだ(小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資など)。米国による制裁関税の悪影響が確認された場合、中国景気の先行き不安が一段と高まる恐れがある。
 なお、株価指数を算出するハンセン・インデックシズは10日引け後、四半期ごとに行っている指数構成銘柄の定期見直しの結果を発表した。ハンセン指数の構成銘柄に、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)と中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)を9月10日付で採用する。除外銘柄は、東亜銀行(23/HK)と招商局港口HD(144/HK)だ。
 本土マーケットは上値の重い展開か。企業業績の改善や、中国の政策に対する期待は根強いものの、外部環境の不透明感が相場の足かせとなりそうだ。


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