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2018/11/09 09:14

売り先行か、内外に不安材料 無料記事

◆9日の香港マーケットは、内外の不安材料で売られる展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.04%高と4日続伸したが小幅な上昇にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.53%安と3日ぶりに反落した。米10年債利回りが上昇する中で金融株は買われたものの、株価の割高感が意識され、高PERの大型ハイテク株が売られている。この日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り金融政策の現状維持が決定された。その後の声明では、賃金上昇などがインフレにつながるとして、12月の利上げ実施を示唆している。また、原油相場の下落基調もマイナス。WTI原油相場は1.6%安と9日続落し、10月上旬に付けた高値からの下落率は弱気相場入りの目安となる20%を超えた。エクソンモービルやシェブロンなどが急落している。
 一方、8日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.2%安と4日続落。中国景気の先行きを不安視した売りが継続している。中国の政府高官は、「国内経済に下押し圧力が強まっている」と相次ぎ発言。直近では、国家発展改革委員会の幹部が2018年の自動車販売に関し、前年実績を割り込む可能性に言及している。この日公表された10月の中国貿易統計で、輸出と輸入の伸び率がそろって上振れたことはプラス材料となったものの、買いの勢いは続かず、指数は引けにかけてマイナス圏に沈んだ。ただ、全体として大型株は物色され、上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.2%高とプラス圏で取引を終えた。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。原油相場の下落や米金利の上昇、中国景気の先行き懸念など、ネガティブ材料が重なっている。米ハイテク株の下落も、香港上場の関連銘柄にとっての逆風だ。
 なお本日は、取引時間中(日本時間午前10時半ごろ)に10月の中国物価統計が公表される予定。消費者物価指数(CPI)の伸びは前年同月比2.5%(前月は同2.5%)、生産者物価指数(PPI)が同3.3%(同3.6%)で着地すると予想されている。
 本土マーケットも神経質な値動きか。当局の相場テコ入れ期待などはあるものの、国内景気の先行き不安がくすぶるなかで投資家心理は冷え込んだままだ。


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