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2018/09/07 08:44

上値の重い展開か、米中貿易戦争の激化を警戒 無料記事

◆7日の香港マーケットは、米中貿易戦争の警戒感が上値をおさえる展開か。
 外部環境は依然としてネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%高と小幅ながら続伸したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.9%安と3日続落した。出遅れ株物色の流れは続いたが、米中貿易摩擦の激化を不安視した売りが優勢。中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象に25%の追加関税を課す)に関しトランプ米大統領は、週内にも発動するとの姿勢を崩さず、中国側も相応の対抗措置を打ち出すと表明している。
 中国国内の環境も不透明。6日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%安と続落した。心理的節目の2700ポイントを割り込み(終値は2691.59ポイント)、約3週ぶりの安値水準に沈んでいる。「国家隊(政府系ファンドなど)」の買い入れ期待などで小高く推移する場面がみられたものの、米追加関税の警戒感が上値を抑えた。米商務省が5日公表した7月の貿易赤字は501億米ドルと前月から拡大し、うち対中赤字は368億米ドルと過去最大を記録。米国は通商交渉で一段と強硬姿勢に出る――との不安が高まっている。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。昨日までの続落でハンセン指数は約1年1カ月ぶりの安値水準に落ち込んだとあって、自律反発狙いの買いは入りそうだが、米中貿易戦争の不安が相場の足かせとなろう。また、本土で家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」の感染が広まっていることや、マカオ保健当局がデング熱に関連した警報を発したことなども投資家心理を冷やす一因となりそうだ。
 本土マーケットも神経質な値動きか。国家隊による相場下支え期待はあるものの、米追加関税に対する警戒感が投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。また、8月の重要経済指標が今週末をはさんで公表されることも気がかり材料となろう(7日に外貨準備高、8日に貿易統計、10日に物価統計)。


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