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2018/08/15 08:48

上値の重い展開か、中国・香港の通貨安が逆風 無料記事

◆15日の香港マーケットは、中国・香港の通貨安が上値を重くする流れか。
 外部環境はひとまず落ち着いている。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と5日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高と3日ぶりにそれぞれ反発した。トルコ通貨の下げ一服で、投資家のリスク回避スタンスがやや後退。米国との対立を受け、トルコリラは連日で急落していたが、「通貨防衛のため同国が利上げする」との期待が強まった。米企業決算の好調や、米経済の先行き楽観なども相場を後押ししている。14日発表された7月の米中小企業楽観度指数は前月比で上昇し、過去2番目の高い水準だった。
 一方、中国国内の環境は不透明。14日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.2%安と続落した。人民元安の進行が重しとなっている。中国人民銀行(中央銀行)はこの日、対米ドルの人民元レートを4営業日連続で元安方向に設定した。上海外国為替市場では元安が止まらず、約1年3カ月ぶりの水準で推移している(15日朝方も同水準で推移)。資金流出の警戒感が強まる状況だ。なお、取引時間中に公表された小売売上高や鉱工業生産額など今年7月の中国経済指標は、総じて予想を下回る結果となっている。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。トルコリラの下げは一服したものの、人民元と香港ドルに反転の兆しはない。主要企業の決算発表が進む中で、目先は引き続き業績動向に着目した値動きとなりそうだ。本日は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)や中国聯通(チャイナ・ユニコム:762/HK)、中国アルミ(2600/HK)、あす16日は華潤電力HD(836/HK)、重慶鋼鉄(1053/HK)などが中間決算の発表を予定している。
 本土マーケットは下値を固める展開か。人民元安や景気減速の警戒感は続いているが、中国の政策期待も根強い。値ごろ感の強まった銘柄には、買い戻しの動きがみられよう。


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