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2018/09/05 08:43

上値の重い展開か、米株安が逆風に 無料記事

◆5日の香港マーケットは、米株安が重しとなる流れか。
 外部環境はややネガティブ。連休明けとなった昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安と反落した。米通商政策の不透明感が重しとなっている。北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉を巡っては、米国とカナダが8月31日の期限までに合意できず9月5日に協議を再開する予定だが、見通しは楽観されていない。トランプ大統領は自身のツイッターに、「NAFTAにカナダをとどめる必要はない」と投稿した。また、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象)に関しても、大統領は週内にも発動する考えを示している。ただ、米景気の拡大基調はプラス。米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した8月の製造業景況感指数は予想に反して上昇し、2004年5月以来14年3カ月ぶりの高水準だった。
 一方、中国国内の環境はややポジティブ。4日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.1高と6日ぶりに反発した。海外マネーの流入が期待されている。インデックス開発世界大手の英FTSEラッセルは、9月中にもA株の国際指数組み入れ可否を決定する見通しだ。また、指数算出のMSCIは3日、「MSCI新興国株指数」の中国A株の組み入れ比率を引き上げている。後場に入り、金融などの大型株が上昇に転じたことで、「国家隊(政府系ファンドなど)が買い支えに動いた」との観測も流れた。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。本土株高は追い風になりそうだが、米株安がマイナスだ。また、米中貿易戦争の警戒感もくすぶっている。米国の制裁関税第3弾についての意見公募手続きは、米時間5日に終了する予定。発動の有無を見極めたいとするスタンスも、買い手控え要因となろう。
 本土マーケットは堅調か。米中貿易摩擦の激化懸念は続いているものの、海外マネーの流入期待も大きい。前述したFTSEラッセル指数に採用されるとの見方は強く、実現すれば理論上は約3兆人民元の資金がA株市場に流入するとの試算もある。


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