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2018/11/21 09:02

売り先行か、米中企業の業績不安と原油相場の急落が逆風 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米中企業の業績不安と原油相場の急落が嫌気される展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.0%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.7%安と3日続落した。NYダウは約3週ぶりの安値水準を切り下げ、年初来の騰落が再びマイナスに転じている。これまで相場をけん引していたグロース株に成長鈍化の懸念が強まり、世界景気の先行きが不安視された。ゴールドマン・サックスに「iPhone」需要の弱さが指摘された米アップル株は一時5%安と大幅続落し、10月初旬に記録した上場来高値から20%下落。市場から「弱気相場入りした」との声が聞かれた。このところ半導体やネットなどハイテク関連に、業績の下振れや低調な売上高見通しが相次いでいる。また、四半期の既存店売上高が予想にとどかなかったことを受け、ディスカウントストアのターゲットが急落。米消費活動の不透明感も強まった。
 一方、20日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が2.1%安と4日ぶり反落。国内経済の先行き不安が改めて意識された。中国銀行保険監督管理委員会による19日の報告によれば、国内商業銀行の不良債権残高は9月末時点で2兆322億人民元(約33兆円)と2兆人民元の大台を突破し、不良債権比率は3四半期連続で悪化。また、中国EC大手の京東商城(JD/NASDAQ)は19日、7〜9月期決算を報告し、前四半期比の増収率減速を明らかにしている。先週14日公表された10月の中国小売売上高が大幅に下振れたこともあり、国内消費の冷え込みが警戒された。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは売りが先行する流れとなりそうだ。米中企業の業績不安が高まり、投資家のセンチメントが悪化している。また、原油相場の急落も関連銘柄にとっての逆風となろう(WTI原油先物は6.6%安と反落し、約1年1カ月ぶりの安値)。
 本土マーケットも神経質な値動きか。当局が景気テコ入れや市場活性化に取り組んでいることはプラス材料となるものの、上述したように、企業業績に対する不安や原油相場の低迷が重しとなりそうだ。


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