/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2019/01/31 09:13

買い先行か、米金融引き締めペースの鈍化期待が追い風 無料記事

◆31日の香港マーケットは、米金融引き締めペースの鈍化期待で買われる展開か。
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.8%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%高と3日ぶりに反発した。米金融引き締めペースの鈍化が期待される。この日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り政策金利の据え置きが決まった。その後の声明では「緩やかな利上げ」の文言が削除され、先行きの利上げに慎重なスタンスが示されている。また、主要企業の好決算が相次いだこともプラス。ボーイングの2018年10〜12月期決算は増収増益となり、市場予想を大幅に上回った。このほか、取引終了後にフェイスブックが公表した四半期決算は過去最高益となり、時間外取引で急伸している。
 一方、30日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.7%安と3日続落。米中関係の悪化が警戒されたほか、一部企業の業績悪化見通しも逆風となった。生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK、601628/SH)は18年12月期決算に関し、50〜70%減益に落ち込むとの見通しを明らかにしている。保険株が軒並み下げ、全体相場の重しとなった。また、イランとの不正な金融取引に関与したとして、米国が華為技術(ファーウェイ)と同社の孟晩舟副董事長(兼CFO)を起訴したことについては、中国側が猛反発している。
 こうしたなか、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開になりそうだ。米金融引き締めの鈍化は、金融政策で米国に追随する香港にとっても好材料となる。なかでも、香港系不動産セクターの追い風だ。このほか、原油相場の上昇(昨夜のWTI原油先物は一時2カ月ぶりの高値)も関連銘柄の支援材料となろう。本土マーケットも買い戻しが入る流れとなりそうだ。元高進行が相場を後押ししよう。朝方の外国為替市場(オフショア)では、米ドル安を背景に人民元高が加速している(約半年ぶりの元高水準)。
 なお、貿易問題を巡る米中両国の閣僚級協議は30日(米時間)、初日の話し合いを終えた。中国側からは劉鶴副首相や中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁、米国側はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表やムニューシン財務長官らが出席している。知的財産権の保護などが協議されたもようだ。劉副首相らは31日、トランプ米大統領と面会する予定となっている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース