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2018/09/27 09:04

神経質な値動きか、香港の金利高を警戒 無料記事

◆27日の香港マーケットは、米金利の低下と中国の政策期待で下値の固い展開か。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安と3日ぶりに反落した。米10年債利回りが低下するなか、金融株が売られ相場の重しとなっている。この日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、政策スタンスから「緩和的」の文言が削除されたことを受け、市場の一部から「利上げサイクルが終わりに近づいている」との観測が流れた。FOMCは予想通り、今年3回目の利上げを決定。発表直後に指数は上げ幅を拡大したものの、次第に売りが優勢となっている。
 一方、26日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%高の2806.81ポイントと反発した。終値ベースで約2カ月ぶりに、心理的節目の2800ポイント台を回復している。海外マネー流入拡大の思惑が高まる状況。指数算出の米MSCIは、グローバル指数に組み入れているA株のウエートに関し、大幅な引き上げを検討していると発表した。また、インデックス開発世界大手の英FTSEラッセルは、A株銘柄の国際指数採用に関し、27日に正式発表する見込みと伝わっている。政策期待の高まりもプラス。米国との貿易摩擦が激化するなか、中国政府は内需の刺激に力を入れる方針だ。「個人所得税法」の改正など、消費拡大のための施策が相次いでいる。最新の報道では、国家税務総局が専門チームを各省市に派遣し、企業を対象とした各種減税政策の効果を確認する――との情報も伝えられた。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。米国の利上げを受けて、金融政策で米国に追随する香港でも政策金利が引き上げられた。市中銀行も本日中に、貸し出しの目安となるプライムレート(最優遇貸出金利)を引き上げるとの見方が強い(プライムレート引き上げは12年ぶり)。域内の金利高は、香港不動産株などにとってはマイナスとなる。半面、中国で輸入関税の引き下げが正式決定されたことはポジティブ。企業コストの削減や、消費需要の拡大が期待される。
 一方、本土マーケットはしっかりか。前日に続き、中国の政策に対する期待感が追い風となりそうだ。前日の上昇を受けた利食い売り圧力は意識されるが、政策で恩恵を受ける銘柄群の押し目を拾う動きは強まろう。


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