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2018/10/30 09:19

売り先行か、米中貿易戦争の拡大を警戒 無料記事

◆30日の香港マーケットは、米中貿易戦争の拡大懸念で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%安とそろって続落した。米中貿易戦争の拡大が懸念されている。米ブルームバーグは29日、「11月に予定されている米中首脳会談で通商問題の解決に向けた動きが進展しない場合、米国は中国からの輸入品でこれまで追加関税の対象となっていなかった品目すべてに追加関税を賦課する方針」と報じた。また、米商務省は29日、「中国の半導体メーカー、福建省晋華集成電路(JHICC)に対して、安全保障上の問題により半導体装置など米国製品の輸出を規制する」と発表している。
 一方、週明け29日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が2.2%安と続落。中国企業の業績不安が強まるなか、投資家心理が悪化した。先週末27日に公表された1〜9月の工業企業利益は前年同期比14.7%増にとどまり、1〜8月の16.2%増から減速している。白酒メーカー最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)は、7〜9月期決算が失望されストップ安で引けた。白酒需要の減少懸念とあわせ、業績の先行きも不安視された。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、米中貿易戦争の警戒感が再び強まっている。また、いったん落ち着いていた人民元相場が再び元安に動いたこともマイナスだ。中国人民銀行(中央銀行)の幹部が元安けん制の口先介入し、昨日の日中は元安が一服していたものの、夜間取引では売られ、約10年ぶりの元安水準に達している。
 なお、香港では上場企業の決算発表がピークを迎えた。本日は中国工商銀行(1398/HK)や中国農業銀行(1288/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国民生銀行(1988/HK)、中信証券(6030/HK)、中国銀河証券(6881/HK)、華泰証券(6886/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中国中車(1766/HK)、中聯重科(1157/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国石油化工(386/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中海油田服務(2883/HK)、万洲国際(288/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国南方航空(1055/HK)、澳門博彩HD(880/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、イ柴動力(2338/HK)などが第3四半期業績を公表する。
 本土マーケットも神経質な値動きか。「国家隊(政府系ファンドなど)」が相場を支えるとの期待は根強いものの、企業業績の先行きや、人民元安の進行など気がかりとなる材料が重なっている。


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