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2018/11/20 09:12

売り先行か、内外に懸念材料 無料記事

◆20日の香港マーケットは、内外の懸念材料で売られる展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.6%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は3.0%安と続落した。NYダウは約3週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。米アップルが急落し、ハイテク株全般に売りが広がった。アップルが新規投入した「iPhone」全モデルの発注を減らした――と米紙(19日付)が報じる中、販売不振の懸念が改めて強まっている。このほか、半導体の米エヌビディアは決算に失望した売りが続き、12%安と大幅続落した。米中通商協議の先行き不安も強まる。週末にパプアニューギニアで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議では、米中両国が通商政策で折り合いがつかず、初めて首脳宣言採択が断念された。建機大手キャタピラーや工業製品のスリーエム(3M)など、中国関連とされる銘柄群が大きく下げている。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比でプラス10.80%の20.10ポイントに上昇し、再び20を上回った。
 一方、週明け19日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が先週末の好地合いを継ぎ0.9%高と3日続伸。市場活性化の期待や、人民元安の一服などが支えとなっている。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を4営業日連続で元高方向に設定した。また、早ければ12月8日にも「上海・ロンドン両株式市場の相互取引」が開始される――との見通しが伝えられている。当局の景気刺激策が奏功し、インフラ投資の伸びが加速していることも改めて材料視された。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。米ハイテク企業の業績不安が強まる中で、昨夜の米株が売られた流れを継ぎそうだ。また、中国電子商取引(EC)大手の京東集団(JDドットコム)が7〜9月期決算を19日に発表し、売上高の伸びが前四半期と比べ鈍化したことが明らかになったこともマイナス(米市場に上場する同社ADRは急落)。中国の消費減退が改めて意識されよう。
 本土マーケットも上値の重い展開か。市場活性化の期待が続いていることや、人民元相場の安定はプラス材料となるものの、米中関係の改善期待がやや後退していることはマイナスだ。


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