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2019/01/10 09:06

上値の重い展開か、戻り待ちの売り圧力を意識 無料記事

◆10日の香港マーケットは、買い先行も戻り待ちの売り圧力で上値の重い展開か。
 外部環境は良好と言える。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高とそろって4日続伸した。米中交渉の進展を好感。1日延長して9日に終了した米中の次官級貿易協議では、中国が米国産農産物やエネルギー、工業製品の輸入拡大、中国市場の開放で歩み寄ったと報じられている。両国は月内にも、閣僚級の協議を開く見通しだ。このほか、米利上げペースの鈍化も期待される。この日公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(昨年12月開催分)によれば、過半数の委員が「追加利上げに関しては辛抱強くなれる」と表明していた。ただ、不安要素もくすぶる状況。メキシコ国境の壁建設を巡り、トランプ大統領と野党民主党の協議が難航していると伝わり、政府機関の一部閉鎖が長引くと懸念された。指数は引けにかけて伸び悩んでいる。
 一方、9日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.7%高と反発した。中国の政策期待が強まる流れ。複数のメディアは8日、「国家発展改革委員会の寧吉テツ副主任がテレビ取材に応じ、自動車や家電など重点製品の消費を促すための政策を年内実施する方針を示した」と報じた。国内経済の鈍化が警戒されるなか、当局の景気テコ入れスタンスが鮮明化している。大型インフラ投資案件の政府認可が加速しているほか、「中国各地で不動産引き締め策を緩和する動きが広がっている」とも伝えられた。また、米中通商協議が前向きに進んでいると伝わったことも相場を後押ししている。
 なお、本日は朝方(日本時間10時半ごろ)に昨年12月の物価統計が報告される予定。消費者物価指数(CPI)の伸びが前年同月比2.1%(前月は同2.2%)、生産者物価指数(PPI)が同1.6%(同2.7%)で着地すると予想されている。
 こうしたなか、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。米中協議に進展がみられたことはプラスだが、いったん好材料の出尽くしとなる可能性もある。ハンセン指数は直近の上昇ピッチが速く、約1カ月ぶりの高値水準を回復したこともあり、戻り待ちの売り圧力も意識されそうだ。本土マーケットも香港と同様に、神経質な値動きとなろう。


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