◆3日の香港マーケットは、世界的な金融緩和期待が支えとなる展開か。
　外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比5.1％高と8日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.5％高と続伸した。NYダウの上昇幅は1293.96ドルとなり、過去最大を記録している。各国中銀の金融支援期待が高まった。新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済の悪化が警戒されるなか、主要7カ国（G7）の財務相・中銀総裁は3日にも緊急の電話会議を開く。会議後の声明では、協調行動が示される見込みだ。これに先立つ2月28日、パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長は利下げを示唆する声明を公表。2日には、日本銀行の黒田総裁が資金供給に言及し、欧州中央銀行（ECB）のラガルド総裁が「的確な措置をとる用意がある」と表明している。
　一方、2日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が3.2％高と急反発。経済対策の期待感が広がった。週末に公表された2月の製造業PMI（国家統計局などが集計）が予想以上に悪化し、過去最低を記録するなか、「中国当局は経済成長率の目標を達成するため、財政支出の拡大など追加の景気下支え策を速やかに打ち出す」との見方が強まっている。新型コロナウイルスを巡り、中国各地で警戒レベル引き下げが相次いでいる点もプラス。主要企業の生産能力が回復しつつある点を踏まえ、経済活動の正常化も見込まれている。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした値動きとなろう。上述したように、各国中銀の協調行動が期待されている。昨夜の欧米株高や原油上昇（WTI原油先物は4.5％高）が追い風だ。


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