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2018/09/28 08:43

神経質な値動きか、米中貿易摩擦の警戒感が重しに 無料記事

◆28日の香港マーケットは、米中の貿易摩擦の長期化懸念が重しとなる流れか。
 外部環境は落ち着きつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2%高と4日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.7%高と反発した。ハイテク株が相場をけん引。一部証券会社の強気な投資判断を受け、アップルとアマゾンが大幅上昇している。また、8月の米耐久財受注が前月比で予想を上回る伸びを示すなか、米景気の拡大期待も強まった。ただ、米中貿易摩擦に対する警戒感は根強く、指数は終盤に上げ幅を削っている。中国での売上比率が高いキャタピラーや、中国から商品を輸入するウォルマートなどが下げた。トランプ大統領は26日、国連安全保障理事会(安保理)の会合で、「中国は私や共和党に選挙で勝ってほしくないから、米国の中間選挙に干渉しようとしている」と述べている。米中は貿易問題で対立しているだけに、両国の関係悪化も一段と危惧される状況だ。
 一方、27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%安と反落。通貨安の動きが警戒された。中国人民銀行(中央銀行)はこの日、人民元レートの対米ドル基準値を約1カ月ぶりの元安水準に設定している。米利上げに伴った米ドル高が進むなか、人民元の先安が不安視された。もっとも、政策期待が根強く、大きく売り込む動きはみられない。中国政府は景気下支えのため、内需の刺激に力を入れている。輸入関税の引き下げが正式決定されたことを受け、企業コストの削減、消費需要の喚起なども見込まれた。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の政策期待は根強いものの、米中貿易摩擦の長期化懸念も強まっている。また、香港市場は週明け10月1日が国慶節により休場(本土市場は1〜5日が休場)。模様眺めのスタンスも強まりそうだ。
 一方、本土マーケットは下値の固い展開か。中国の政策が相場の支えとなりそうだ。前日はインフラ投資の拡大期待が強まるなかで、ゼネコン株が逆行高している。10月から個人所得税の減税がスタートすることも、改めて意識されよう。


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