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2018/09/20 08:47

上値の重い展開か、米金利高が気がかり 無料記事

◆20日の香港マーケットは、米金利高を気にしながら上値の重い展開か。
 外部環境は良好と言える。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%高と続伸し、約7カ月半ぶりの高値水準で取引を終えた(ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と小反落)。米中貿易摩擦の過度な警戒感が後退し、投資家心理も上向いている。米中は来週24日、そろって追加関税を発動する見込みだが、当初想定されていたほど厳しい内容ではなかった。航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど、中国での売上比率が大きい銘柄群に買いが継続している。また、米10年債利回りの上昇基調が強まるなか、利ザヤ改善期待で金融株も物色された。
 中国国内の環境もポジティブ。19日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.1%高で引け、今月に入り始めて続伸した。約2週ぶりの高値水準を回復している。中国の政策に対する期待感が相場を押し上げた。2019年1月1日付で改正される「個人所得税法」では、住宅ローン金利などが所得税控除の対象となる。これを受けて不動産株が軒並み上昇し、消費関連株も大きく買われた。また、人民元安懸念の後退もプラス。李克強・首相は19日、天津で開催中の夏季ダボス会議で講演し、「人民元の下落は弊害が大きい」と述べ、行き過ぎた人民元安を望まない姿勢を明確にした。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。米中摩擦の懸念後退は引き続き支えになりそうだが、米金利上昇が気がかりだ。香港は金融政策で米国に追随するため、域内の金利高も警戒される状況。金融株にはメリットとなるものの、不動産株などには逆風となろう。
 本土マーケットはしっかりか。前日に続き、政策期待の高まりが相場を下支えする展開となりそうだ。今月下旬の米利上げが確実視されるなか、中国で「10月に預金準備率が引き下げられる」との観測が強まっていることも好材料だ。


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