◆30日の香港マーケットは、米金融政策や米中通商協議を気にしながらもみ合う展開か。
　外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2％高と反発したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8％安と続落した。主要企業の好調な決算報告は支えだが、米連邦公開市場委員会（FOMC）の結果発表を30日（米時間）に控えていることや、米中通商協議が30〜31日の日程で開かれることが気がかり材料となっている。工業製品のスリーエム（3M）が発表した2018年10〜12月期決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。製薬のファイザーなども決算上振れで物色されている。半面、ツイッターやフェイスブック、半導体関連などが値下がりし、テクノロジー株の重しとなった。なお、アップルが引け後に公表した10〜12月期決算は9四半期ぶりに減収減益となったものの、事前予想通りだったこともあり、時間外取引では急伸している。
　一方、29日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1％安と小幅ながら続落。中国指標の悪化を受けた国内景気の先行き不安に加え、米中関係の悪化懸念が逆風となっている。米司法省は28日、イランとの不正な金融取引に関与したとして、華為技術（ファーウェイ）と同社の孟晩舟副董事長（兼CFO）を起訴したと発表。孟CFOを逮捕したカナダに対し、米当局は身柄の引き渡しを求めている。これについて中国側は、「米国は特定の中国企業に対し、不当な抑圧をかけている」と猛反発した。ただ、下値は限定的。中国銀行保険監督管理委員会の肖遠報道官が28日、国内メディアの取材に対し、機関投資家としての保険会社の役割をより十分に発揮させる方針を示し、優良株投資を奨励した。大型優良株が堅調に推移するなか、上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.8％高と逆行高している。
　こうしたなか、本日の香港マーケットは全体としてもみ合う展開か。FOMCの結果発表や米中協議の開催を前に、模様眺めのスタンスが強まりそうだ。本土マーケットも同様に、方向感を欠く展開となろう。


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