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2018/09/10 08:47

売り先行か、米中貿易戦争の激化を警戒 無料記事

◆週明け10日の香港マーケットは、米中貿易戦争の激化が警戒される展開か。
 外部環境はネガティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安と4日続落した。米中貿易摩擦の警戒感が強まり、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象に25%の追加関税を課す)が発動される可能性が高まるなかで、トランプ米大統領は「2670億米ドルの追加関税を課すこともできる」とメディアのインタビューに答えた。すでに発動された500億米ドル分と検討中の2000億米ドル分と合わせれば、総額5170億米ドル相当となり、中国からの全輸入品にあたる。中国側の反発は必至だ。また、米金利高もマイナス材料。この日公表された8月の米雇用統計では、平均時給が予想を大きく上回り、年内2回の利上げ確率が高まった。米10年債利回りも急伸している。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%高と3日ぶりに反発した。当局の相場安定策が期待される。中国証券監督管理委員会は6日、上場企業の自社株買い規定を緩和する方針を発表した。また、「相場の下落局面では、政府系ファンドなどの“国家隊”が買い支えに入る」との思惑も根強く残っている。金融株など時価総額上位の銘柄群が上昇するなか、上海市場の代表銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.9%高と他の指数をアウトパフォームした。
 なお、週末8日に発表された8月の中国貿易統計では、人民元建ての輸出と輸入の伸び率がそろって予想を上回った。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。上述したように、米中貿易戦争の激化が懸念される状況だ。また米金利高は、金融政策で米国に追随する香港にとっても逆風となる。
 本土マーケットも神経質な値動きか。国家隊による相場下支え期待はあるものの、米中通商関係の悪化が不安材料となる。また、8月の中国指標が相次いで発表されることも気がかりだ(10日に物価統計、14日に小売売上高や鉱工業生産、15日までに金融統計など)。


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