◆23日の香港マーケットは、中国の政策期待で底堅い展開か。
　外部環境は依然として不透明だ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5％安と反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3％高と4日ぶりに反発。全体として、方向感に欠ける展開だった。中国株の大幅続伸は好感されたものの、イタリアの財政懸念がくすぶるなかで欧州市場の主要株価指数が軒並み下落したことが重しとなっている。また今週は、主要な米企業の決算発表が相次ぐこともあり、模様眺めのスタンスも強まった。
　一方、22日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が4.1％高と大幅続伸。2営業日での累計上昇率は6.8％に達した。中国の政策に対する期待感が追い風。習近平・国家主席が「民営企業の発展を支えることは共産党中央委員会の一貫した政策だ」と強調したほか、今月から所得税減税が始まっている。国務院金融安定発展委員会は20日、劉鶴・副首相の主宰で会議を開き、19日に表明した株価安定策を早期に実施する方針を確認。関係各部門が具体的な施策を発表し、実施を急ぐよう指示した。
　こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として底堅く推移か。外部環境に不安材料はあるが、中国の政策期待が大きい。また、珠海（広東省）、香港、マカオを結ぶ「港珠澳大橋」の開通式典が23日に行われる。関連銘柄が再び物色される可能性もあろう。
　なお、香港マーケットでも主要企業の決算発表がスタート。本日は中国建設銀行(939/HK)や中国中煤能源(1898/HK)、華能国際電力(902/HK)、あす24日は東江環保(895/HK)や天津創業環保集団(1065/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)などが第3四半期業績を報告する。
　本土マーケットもしっかりか。前述したように、直近の上昇ピッチが急だったため、反動売りに押される場面もありそうだが、中国の政策に対する期待感が相場を支えよう。


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