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2018/12/05 09:14

売り先行か、米中貿易摩擦の警戒感が再燃 無料記事

◆5日の香港マーケットは、米中貿易摩擦に対する警戒感の再燃で売られる流れか。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比3.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.8%安とそろって3日ぶりに反落した。トランプ米大統領の発言を受け、米中通商協議の先行きが不安視される。トランプ氏は自身のツイッターで、「私はタリフ・マン(関税が好きな男)だ」と述べ、通商協議が不調に終わった場合、制裁関税を拡大する方針を改めて示した。また、米国債の長短金利差が急速に縮小していることもマイナス。長短金利の逆転は、景気後退の前触れとされているためだ。中国銘柄とされる建機のキャタピラー、航空機のボーイングが急落し、利ザヤ縮小が嫌気された金融株も軒並み下げている。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比でプラス26.16%の20.74ポイントに急上昇し、再び20を上回った。
 一方、4日の本土株マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.4%高と3日続伸。約2週ぶりの高値水準を回復した。中国の政策期待が強まる展開。李克強首相は3日、南京市で開いた地方政府幹部との懇談会で、「消費のグレードアップや各種投資プロジェクトの加速を通じ、内需を拡大させる」と発言した。人民元相場の上昇もプラス。4日の上海外国為替市場では一時、人民元の対米ドル相場が約3カ月ぶりの元高水準に達した。
 こうしたなか、本日の香港マーケットは苦戦を強いられる展開か。米中関係の改善で週明けから買いが膨らんでいただけに、トランプ氏の発言が売り材料視されよう。また、昨夜の米株市場でアップルやエヌビディアが大幅安となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5.0%安と急反落するなか、香港でもハイテク関連に売りが先行しそうだ。
 本土マーケットも安く始まる可能性が高い。香港と同様に、米中通商協議の先行きが不安視される状況だ。ただ、海外マネーの流入期待も強まっている。一部外電は関係者の話として、「上海・ロンドン両株式市場の相互取引」開始に向けた式典が今月14日に実施される見通し――と報じた。


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