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2018/08/24 08:44

神経質な値動きか、決算本格化で選別物色も 無料記事

◆24日の香港マーケットは、米中貿易問題と資金流出懸念で神経質な値動きか。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と6日ぶりに反落した。米中の貿易問題や米政権の政治不安が逆風となっている。米国は23日(日本時間)、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第2弾(中国からの輸入品160億米ドル相当に25%の追加関税)を発動。これに対抗し、中国側も同規模の報復関税を発動している。米中貿易問題を巡っては、22〜23日の日程で事務レベル協議がワシントンで開催されたが、「大きな進展はなかった」と伝えられ、米国が強硬姿勢を崩すかどうかも不透明だ。また、トランプ大統領の元選対本部長に有罪の評決が下されたことに対し、トランプ氏が「(自身が弾劾された場合に)株式相場は暴落する」と発言したことも不安材料となっている。
 一方、中国国内の環境は安定的。23日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%高と反発した。制裁関税の発動で「悪材料の出尽くし感」が広がっている。指数は前場に安く推移していたが、後場の途中から買い優勢となった。関税第1弾が発動された7月6日の相場でも、後場からプラスに転じている。下値では国家隊(政府系ファンド)が買いを入れるとの期待や、中国政府が景気腰折れを回避するための経済対策を打ち出すとの思惑が相場を支えた。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。米中貿易問題の警戒感などで昨夜の米株が売られたことや、香港域内からの資金流出懸念が重しとなる。香港ドルの対米ドル相場は、依然として許容変動幅(7.75〜7.85香港ドル)の安値下限近くで推移する状況だ。ただ、主要企業の決算発表が本格化するなか、業績動向を手がかりにした個別株物色がみられよう。本日は、中国人民財産保険(2328/HK)や中国太平洋保険集団(2601/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、AIAグループ(1299/HK)、国泰君安証券(2611/HK)、招商銀行(3968/HK)、広州富力地産(2777/HK)、首創置業(2868/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、華晨中国汽車HD(1114/HK)、中国石油化工(386/HK)、大唐国際発電(991/HK)、中国神華能源(1088/HK)、エン州煤業(1171/HK)、中国建材(3323/HK)、国薬HD(1099/HK)、新疆金風科技(2208/HK)、中国中車(1766/HK)、招金鉱業(1818/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)などが中間決算を報告する。
 本土マーケットは上値の重い展開か。当局の相場下支え期待はあるものの、一段の買い材料には欠ける状況。香港と同様に、業績動向をにらみながらの選別物色が強まろう。


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