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2018/08/16 08:48

売り先行か、テンセントの決算下振れに失望感 無料記事

◆16日の香港マーケットは、テンセントの決算下振れが投資家のセンチメントを冷やす流れか。
 外部環境は不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%安とそろって反落した。トルコ情勢の警戒感がくすぶったほか、原油や非鉄など商品相場の下落が重しとなっている。米国の制裁関税に対抗し、トルコ政府は15日付で米国からの一部輸入品に対する関税を引き上げた。WTI原油先物は3.0%安と大幅続落し、LME銅先物は約1年ぶりの安値水準に落ち込んでいる。また、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が昨日(香港市場の引け後)公表した4〜6月決算は予想外の減益。米市場に上場する同社ADRは急落し、米主要IT株にも売りが波及した。
 中国国内の環境もネガティブ。15日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が2.1%安と3日続落した。人民元安が続くなか、資金流出の懸念が一段と強まっている。この日の上海外国為替市場では元安に下げ止まりの兆しがみられず、依然として約1年3カ月ぶりの安値水準で推移した。中国人民銀行(中央銀行)は同日、対米ドルの人民元レートを5営業日連続で元安方向に設定している。また、前日公表された7月の中国経済指標で、消費や投資の減速が鮮明化したことも改めてネガティブ材料視された。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。上述したように、複数の悪材料が重なっている。なかでも、テンセントが予想外の減益決算を発表したことが大きなマイナス材料。すでに決算が弱い内容になるとの観測で同社株は売られていたが、予想以上に悪い結果を受けて失望売りが出そうだ。
 本土マーケットも神経質な値動きか。直近の急ピッチな下げを受け、自律反発狙いの買いが入る可能性はあるものの、人民元安の進行などが引き続き売り材料として意識されよう。本日朝方の上海外国為替市場では、人民元相場が約1年7カ月ぶりの元安水準に落ち込んでいる。


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