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2018/08/09 08:46

神経質な値動きか、米中貿易摩擦の警戒感くすぶる 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米中貿易摩擦の警戒感がくすぶるなかで神経質な値動きか。
 外部環境はやや不透明。昨夜の米株市場では、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が前日比0.1%高と7日続伸する半面、主要指標のNYダウは0.2%安と4日ぶりに反落した。主要企業の好決算が続いていることはプラスとなるものの、米中貿易摩擦の警戒感が再び意識される。米通商代表部(USTR)は7日、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第2弾(中国からの輸入品160億米ドル相当に25%の追加関税)を23日に発動すると発表した。これに対し中国側は8日夜、米国からの輸入品に同規模の対抗措置をとることを公表。対象品目については、当初示していた114から333に増やした。なかでも、自動車の対象車種を大幅に広げている。
 一方、8日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.3%安と反落したが、大きく売り込む動きとはならなかった。取引時間中に発表された7月の中国貿易統計では、輸出と輸入が前年同月比で予想以上に伸びたことが判明。相場の下支え要因となっている。上海総合指数は7日、前日比2.7%高と急伸していたこともあり、この日は利食い売りにおされた格好だ。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。米中両国が関税応酬を続けるなか、貿易戦争の不安が依然としてくすぶっている。また、昨夜の米株市場で中国系ADRのネット関連が急落したことも、香港上場の関連銘柄にとって逆風だ。こうしたなかで、目先は業績動向に着目した個別株物色となろう。本日は九龍倉集団(4/HK)や太古A(19/HK)、中国移動(941/HK)、あす(10日)は裕元工業集団(551/HK)、華潤水泥HD(1313/HK)、李寧(2331/HK)などが中間決算を公表する。
 本土マーケットは下値の固い展開か。政策期待が持続している。中国河北省の秦皇島市で、非公式の重要会議「北戴河会議」(共産党の最高指導部や長老らが毎年夏に集まり、今後の政策や党人事を話し合う)が始まっているとみられるためだ。
 なお、本日は朝方(日本時間10時半ごろ)に7月の中国物価統計が発表される予定。直前のコンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)の伸びが前年同月比2.0%(前月は同1.9%)、生産者物価指数(PPI)が同4.5%(同4.7%)で着地するとみられている。


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