◆29日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えにしっかりか。
　外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.1％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2％高と小幅ながらそろって3日続伸した。NYダウは約半年ぶりの高値を回復し、ナスダック指数は史上最高値を連日で更新している。北米地域の貿易懸念が後退し、投資家の買い安心感が広がった。北米自由貿易協定（NAFTA）再交渉を巡っては、前日に米国とメキシコが「新たな2国間貿易協定」で大筋合意。カナダも新協定に加わる可能性が高いとして、市場では3カ国の枠組み維持が楽観視されている。また、8月の米消費者信頼感指数が悪化予想を覆して上昇し、約17年10カ月ぶりの高水準となったことも、消費関連などにとって追い風となった。
　中国国内の環境もそれほど悪くない。28日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.1％安と4日ぶりに反落したが、大きく売り込む動きはみられなかった。米中通商交渉の長期化懸念がくすぶることはマイナス材料だが、人民元安懸念の後退や中国の政策期待などが支えとなっている。空運株や不動産株、ハイテク関連株などが逆行高した。
　こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米中貿易摩擦の不安はあるものの、米ハイテク株高が相場を支えよう。主要企業の決算発表が終盤に入るなか、業績動向に着目した物色も続きそうだ。本日は、比亜迪(1211/HK)や東風汽車集団(489/HK)、中国石油天然気(857/HK)、馬鞍山鋼鉄(323/HK)、東亜銀行(23/HK)、中国信達資産管理(1359/HK)、海通証券(6837/HK)、広発証券(1776/HK)、中国民航信息網絡(696/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、海爾電器集団(1169/HK)、中国蒙牛乳業(2319/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)などが中間決算を報告する。
　本土マーケットも下値の固い展開か。相場の下落局面では、国家隊（政府系ファンドなど）が買い支えに入るとの思惑が根強い。政策期待のある銘柄群などに、押し目を拾う動きがありそうだ。


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