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2018/07/30 08:51

上値の重い展開か、内外に不安材料 無料記事

◆週明け30日の香港マーケットは、内外の不安材料が上値を抑えそうだ。
 外部環境はやや不透明。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安と大幅続落した。決算発表を受けて一部のIT関連株が急落し、投資家心理を冷やしている。インテルの4〜6月期決算は予想を上回る増収増益だったものの、稼ぎ頭のデータセンター向け半導体の売上高が予想に届かず、業績に対する不安感が漂った(同社株は8.6%安で取引終了)。また、ツイッターの四半期決算では、月間ユーザー数の大幅減が判明。同社株は20%あまり下落した。なお、寄り前に公表された米4〜6月期GDP成長率は、予想通り強い結果となり、1〜3月期の分は上方修正されている。NYダウは朝方、プラス圏で推移した。
 中国国内の環境もややネガティブ。27日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%安と3日続落している。貿易戦争の警戒感がくすぶる状況。米中首脳が貿易問題で互いにけん制する発言を繰り返すなか、双方の通商交渉は難航すると不安視された。人民元安の進行も逆風。上海外国為替市場ではこの日、人民元安の動きが再び加速し、約1年1カ月ぶりの水準で推移している。市場関係者の間では、「当局は元安を通じ、輸出を下支えする」との見方が優勢。元レートの先安感が一段と強まっている。
 こうした内外環境の下、本日の香港マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の政策や企業決算に対する期待はあるものの、元相場の動向が気がかりだ。先週末の米株市場でIT関連が急落したことも、香港上場のハイテク株などにとって逆風となろう。
 本土マーケットも上値の重い展開か。貿易戦争の警戒感がくすぶるなか、元相場の動向が不安視されている。ただ、下値を叩く動きにはならないだろう。人民銀が緩和スタンスを強めるなど、中国の政策に対する期待感が相場を下支えするとみられる。



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