/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/03/31 09:11

内外の経済対策支えに底堅く推移か、中国PMIにも注視 無料記事

◆31日の香港マーケットは、内外の経済対策を支えに底堅い展開か。
 外部環境はやや落ち着いている。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比3.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.6%高とそろって反発した。米国の大規模な景気対策が改めて脚光を浴びている。経済対策費2兆米ドル(約220兆円)規模に上る新型コロナウイルス対策法案は先週末、大統領が署名し成立した。セクター別では医薬品が高い。ジョンソン・エンド・ジョンソンが30日、新型コロナワクチンの臨床試験を9月までに開始すると発表し、同社株は8%上昇した。他の医薬品株にも買いが波及している。
 一方、30日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.9%安と反落。投資家の慎重スタンスが再び強まっている。中国共産党機関紙の人民日報は28日、新型コロナウイルスの警戒を緩めないよう呼び掛けた。中国以外の国・地域で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、米国内では先週、感染者数が中国を上回っている。世界経済停滞の長期化が懸念された。ただ、下値は限定的。中国の政策期待が高まっている。中国共産党・党中央政治局は27日に会議を開き、財政赤字の拡大と特別国債の発行など経済を下支えする政策パッケージを発表した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移か。新型コロナの警戒感は依然としてくすぶるものの、内外の経済対策が改めて好感されそうだ。また、本日は朝方(日本時間10時ごろ)、今年3月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)が発表される予定。事前のコンセンサス予想は、景況判断の境目となる50を引き続き下回る44.8だが、2月の35.7からは大幅に改善する見通しだ。投資家のリスク回避スタンスが薄らぐ可能性もある。
 なお、香港マーケットでは19年12月期の決算発表が終盤を迎えている。引き続き業績動向を手掛かりとした物色もみられよう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース